研究課題/領域番号 |
21K09297
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
町野 正明 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (70807510)
|
研究分担者 |
今釜 史郎 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (40467288)
安藤 圭 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (40566973) [辞退]
小林 和克 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (00706294) [辞退]
中島 宏彰 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (70710101)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 受容体型チロシンキナーゼ / 神経再生 / 活性化リガンド |
研究実績の概要 |
未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)は、受容体型チロシンキナーゼ(RTK)ファミリーに属するI型膜貫通型タンパク質であり、その細胞内チロシンキナーゼ活性は、特定のリガンドによる受容体クラスタリングによって増強される。本研究は、コンドロイチン硫酸(CS)またはデルマタン硫酸(DS)など他のグリコサミノグリカン(GAG)がALKのリガンドであるかどうかを検証することを目的とした。 表面プラズモン共鳴(SPR)分析にて、DSはN末端領域(NTR)のNTRとの有意な相互作用を示したが、他の硫酸化パターンを含むCSフォームは未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)に結合しなかった。Western blotting法にてDS二糖(dp2)を除いて、DS四糖(dp4)より長いDSは、ALKの自己リン酸化を用量依存的に誘導し、ALKの活性化を促した。dp4より長いDSはALKの自己リン酸化を濃度依存的に誘導しALKを活性化した。ALKのNTRの重要性にさらに取り組むために、全長ALKとNTRを欠く短縮型ALK(ALKΔNTR)をHEK293T細胞に過剰発現させた。その後、細胞溶解物をビオチン結合DSと混合し、ストレプトアビジンでプルダウンした。ALKΔNTRはDSによってプルダウンされず、全長ALKはDSによって正常にプルダウンされた。これによりDSがALKのNTRの特異的リガンドであることを確認した。2.5μMのDS dp16および天然DSは、全長のALKを活性化したが、一貫してALKΔNTRの活性化を誘導できなかった。DSがALKの新しいリガンドであることが証明された。DSはALKのNTRと直接相互作用し、DS四糖はALKの活性化に十分な誘導能を示した。
|