変形性膝関節症(膝OA)の関節内において力学的環境が病態に及ぼす影響とスクレロスチン発現との関連について調査した。高位脛骨骨切り術により膝関節内の力学的環境が改善されると、OAに関連するマーカーの発現が減少し、Wnt/β-cateninシグナルのアンタゴニストであるスクレロスチンの発現が増加した。このことから、関節軟骨に対する力学的負荷軽減によるOAの病態改善にスクレロスチンが関連することが示唆された。しかしながら、関節軟骨に対する力学的負荷が直接的にWnt/β-cateninシグナルへ及ぼす影響については不明であり、今後さらなる調査が必要である。
|