研究課題
令和4年度は和歌山県日高川町において一般住民681名(男性231名、女性450名、平均年齢68.4歳)を対象に運動器検診を実施し、腰椎MRI、腰背筋エコー、全脊X線柱立位側面像、腰痛の有無、腰痛関連ADL障害(Oswestry Disability Index)、体組成、握力、歩行速度、5回椅子立ち上がり時間の評価を実施した。さらに令和5年度は10-12月には和歌山県太地町において一般住民約1000名を対象に令和4年度と同様の運動器検診を計画している。以上により、大規模一般住民コホート10年目の追跡調査を完遂させる。令和5年度の到達目標の第一は1)全脊柱MRI、2)全脊柱立位X線側面像、3)四肢体幹筋量、4)健康関連QOL、5)身体能力を含む膨大な臨床データベースの縦断的解析によりMRI上の傍脊柱 筋サルコペニアの診断基準を確立することである。第二の目標は傍脊柱筋の超音波エコー画像を独自の解析ソフトで評価した結果をMRIと対比させ ることで、MRIに代わる簡便な傍脊柱筋評価システム開発の礎を築くことである。具体的にはMR横断像での脊柱周囲筋脂肪浸潤割合(fatty infiltration ratio)とエコー画像解析結果を対比させその相関を求めるとともに、エコー画像テクスチャー解析によって得られる指標と腰痛、ADL、脊柱アライメント、身体能力との関連を検討する。研究成果 は地域ならびに臨床現場に還元され、将来的に国民の医療費抑制につながる可能性を有するものと考えている。
2: おおむね順調に進展している
令和4年度はコロナ禍の下、コホートの追跡対象者に限って運動器検診を実施し、681名のデータ収集を完遂した。令和5年度の運動器検診でも約1000名の参加者を見込んでいる。研究目的に資する解析に十分なサンプルサイズが得られるものと考えている。
令和5年度はさらサンプル収集を推進すると共に、これまでに得られた臨床情報を基にMR横断像での脊柱周囲筋脂肪浸潤割合(fatty infiltration ratio)とエコー画像解析結果を対比させその相関を求めるとともに、エコー画像テクスチャー解析によって得られる指標と腰痛、ADL、脊柱アライメント、身体能力との関連を検討する。
803円は次年度に繰り越して使用予定である。研究計画に変更は生じない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 4件、 招待講演 3件)
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