研究課題/領域番号 |
21K09315
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
成田 都 (鈴木都) 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (70734242)
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研究分担者 |
大鳥 精司 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (40361430)
折田 純久 千葉大学, フロンティア医工学センター, 教授 (60638310)
稲毛 一秀 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教 (80793629)
森 千里 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (90174375)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 骨関連疾患動物モデル / ラット変形性膝関節症モデル / 疼痛行動評価 / 画像評価 / 免疫組織化学染色 / 薬物療法 |
研究実績の概要 |
令和4年度には、実験2の薬物治療の疼痛関連神経支配に対する効果:各疾患動物モデルに有効とされる薬物の投与前後の骨病変部の神経支配の変化を解析定量化し、各薬剤が神経支配に及ぼす影響と治療効果を検討する。(令和4年度)を予定していた。得られた結果は以下の通りである。 【骨関連疾患動物モデル】7週齢雄性Sprague Dawleyラットの右膝にMIA 2mg (Sigma-Aldrich, St. Louis, MO) +25 μl 生食関節内に投与し、MIA注射4週間後で使用したラット変形性膝関節症モデルを用い、以下の評価項目を検討した。 【疼痛行動評価】:各疾患共モデル作成前後で以下の疼痛行動試験を実施する。・von Frey (vF), Acetone assay, hot plate test【画像評価】: In vivo imageと&CTを用い、各疾患モデルの妥当性及び病理学的評価を行う。 【免疫組織化学染色(IHC)】疼痛関連感覚神経線維の描出 【結果】ラット変形性膝関節症モデルにおいては、shamマウスに比し、またMIA投与で明らかな関節症性変化を生じており、有意な患側後肢足底の機械的刺激の閾値低下、患側後肢の熱刺激の閾値低下を認めた。ラット変形性膝関節症モデルは疼痛過敏性を有していることが明らかとなった。さらにMIA投与後4週でジクロフェナク(NSAIDS)入りヒアルロン酸ナトリウム(Diclofenac Etalhyaluronate Sodium (DF-HA))0.5mgを右膝に注入、注入後4週で還流固定し、疼痛行動評価、画像評価並びに免疫組織化学染色においては後根神経節及び脊髄後角を評価した。MIA投与後DF-HA投与群ラットは有意な疼痛改善、後根神経節における炎症性疼痛マーカーの有意な低下、脊髄後角における中心性感作の改善を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2021年4月1日から10月31日まで産前産後の休暇、育児休業の取得し、研究が一時中断されたことによること、またコロナ禍による一時実験中断期間を余儀なくされたことなどによる。 補助事業期間延長の申請を行ったが、実験内容については順次行っていく。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は令和4年度に終了予定であった実験2. 薬物治療の疼痛関連神経支配に対する効果:各疾患動物モデルに有効とされる薬物の投与前後の骨病変部の神経支配の変化を解析定量化し、各薬剤が神経支配に及ぼす影響と治療効果を検討する。の内の、DABを用いた免疫組織化学染色(IHC) ・疼痛関連感覚神経線維の描出:【1次抗体】抗CGRP抗体(1:2500)【2次抗体】goat anti-rabbit IgG抗体(ビオチン標識)(1:400) ・交感神経線維の描出:【1次抗体】抗VMAT-2抗体 (1:250)【2次抗体】donkey anti-goat IgG抗体(ビオチン標識)(1:250) 【神経線維の解析】ImageJを用い、CGRP陽性神経線維ならびにVMAT-2陽性交感神経繊維数、神経伸長を計測し疾患モデルごとに定量化する。を施行し、実験3. 運動療法の神経支配に対する効果:運動療法前後の骨病変部の神経支配の変化を解析定量化し評価し、運動療法が神経支配に及ぼす影響と有効性を検討する。(令和4年度後半から令和5年度)についても実験2が終了次第行う。実験内容は変更せず行う予定であるが、年度内に終わらない場合には最終年度に繰り越しとし、最終年度に延長の申請も検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
産前産後休暇を取得したことにより令和3年4月1日から10月30日まで中断したことやコロナなどで実験が遅れていたことが要因であり、今年度以降購入予定であったものは今年度順次購入していく予定である。
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