研究課題/領域番号 |
21K09327
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
永野 聡 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (50373139)
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研究分担者 |
佐々木 裕美 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (60773380)
篠原 直弘 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任講師 (60869163)
谷口 昇 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (20626866)
牧迫 飛雄馬 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (70510303)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | がんロコモ / 身体活動量 / 遠隔モニタリング / サルコペニア |
研究実績の概要 |
本研究は、希少がんである骨軟部腫瘍においてサルコペニアや活動量低下、栄養状態悪化などが臨床経過にどのように影響するかを明らかにすることを目的としている。初年度はまず既存のカルテ、臨床検査データ、画像データを用いた後方視的解析を行った。まず学内の臨床研究倫理委員会に研究計画を提出し承認を得た。骨軟部腫瘍症例のCT画像から筋断面積を測定したが、一般的にサルコペニアの研究で報告がある第3腰椎の横断面は撮像されず、胸部CTが経過観察で撮像されていた。そのため文献を参考に、胸部CT画像の第12胸椎レベルでの傍脊柱筋の断面積を測定した。悪性骨軟部腫瘍の症例で、治療前、化学療法前後、進行期において筋断面積が経時的に減少していくことが観察された。しかし、仰臥位で撮影されるため、背部にある傍脊柱筋は同一症例でも形態が変化することも明らかとなり、腹壁の筋群を含めたTotal cross surface areaで測定した方が良いか、放射線科専門医と検討している。 また、活動量モニタリングについては計画した3次元加速度計を内蔵した身体活動量計を購入し、健常者で試験的評価を行った。1週間腕時計型の活動量計を装着し、日常生活や装着感、バッテリーの持続期間に問題が無いことを確認した。設置した解析用PCにライセンス購入した解析ソフトActiLife6を導入し、活動量計からデータを取得した。解析によりデータが良好に記録されていること、消費カロリーなど活動量の計算が種々のアルゴリズムに基づいて可能であること、睡眠時間の計測が可能であることを確認した。今後は骨軟部腫瘍症例におけるデータ収集、解析を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目に予定していた後方視的な症例データ解析を行い、方法について再検討が必要であるが進捗している。身体活動量計を用いた研究もパイロットスタディを完了しており、ほぼ予定通り進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
2年目は後方視的サルコペニアの評価研究を早期に終了し、活動量計を用いた前向き研究に注力していく予定である。 COVID-19の影響が長期化しており、患者さんの受診は必要最低限に限定されている。そのためモニタリング目的で活動量計を装着し、1週間程度後に回収のために受診して頂くことが困難な場合も予想される。その場合は、宅配便などを使用して回収することを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19パンデミックの影響で、予定していた学会参加が出来なかった。次年度以降、成果の発表および研究遂行のための情報収集目的で参加する予定である。
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