研究課題/領域番号 |
21K09339
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
米山 徹 弘前大学, 医学研究科, 助教 (50587649)
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研究分担者 |
畠山 真吾 弘前大学, 医学研究科, 教授 (10400136)
山本 勇人 弘前大学, 医学研究科, 准教授 (30532759)
大山 力 弘前大学, 医学研究科, 特任教授 (80282135)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | MRI / PSMA / 中性子捕捉療法 / Theranostics |
研究実績の概要 |
前立腺特異膜抗原リガンド(PSMA-617)とβ線を放出する放射性同位元素177Luを組み合わせた177Lu-PSMA-617による内照射療法など、画像診断と治療を同時実施可能なTheranosticsモダリティーが開発され、転移性去勢抵抗性前立腺癌(mCRPC)治療にパラダイムシフトが起きている。放射性同位元素に起因する被曝が問題であることから、本研究では、低被曝かつ治療効果が高い前立腺癌特異的なTheranosticsモダリティーとしてPSMAを標的としたイメージガイド下でのホウ素中性子捕捉療法の確立を目指す。令和3、4年度は、L7ペプチド-Gd錯体(L7-Gd-10B)の合成および皮下腫瘍マウスモデルにおけるL7-Gd-10B投与後のMRIモニタリングを実施し、L7-Gd-10Bが腫瘍組織に集積し、造影効果が認められることを確認したが、L7ペプチド-Gd-10BSHの腫瘍組織への集積効果が非常に短時間であり、薬剤自体がすぐに排泄されることが示唆されたため、L7ペプチドからGdを除いたL7-10BSHにおけるホウ素中性子捕捉療法の確立を目指した。令和5年度から、L7-ペプチドよりもPSMAに親和性が高いペプチドを再検討し、L7よりもPSMAに対する親和性が高いR7ペプチドを同定した。さらにL7、R7ペプチドは10BSH投与群と比較しL7-10BSHおよびR7-10BSHで2.0-5.4倍ホウ素集積効果が高く、投与96時間後にBNCTによる抗腫瘍効果発揮に十分なB濃度(20 ppm)には、達していないものの投与量増加、中性子照射タイミングを最適化することによって既存10BSH薬よりもPSMA陽性腫瘍への集積効果が高い薬剤として使用できる可能性が示唆された。これらの研究成果を今後日本、欧州、および米国の各泌尿器科学会で発表を検討している。
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