研究課題
腎細胞癌に対して手術療法を施行した患者10名の腫瘍組織および末梢血Peripheral Blood Mononuclear Cells(PBMCs)より核酸抽出を行い、全エクソーム解析、トランスクリプトーム解析を行った。我々の開発したネオアンチゲン予測系では、全エクソーム解析結果から、患者個々のHLA型を推定し得る。そのためHLAクラスIであるHLA-Aを患者ごとに同定し、HLA-Aと高親和性(Mut IC50<50nM)が予測されるネオアンチゲンを抽出し、ネオアンチゲンペプチドを作成した。同型HLA-Aを有する健常人PBMCより、我々が開発したネオアンチゲン特異的T細胞誘導プロトコールを用いて(Kato et al. Oncotarget. 2018)、個々のネオアンチゲン特異的T細胞の誘導を試みた。本プロトコールでは約2週間でネオアンチゲン特異的T細胞を誘導可能であるが、一部の症例よりネオアンチゲン特異的T細胞の候補を誘導した。実際にHLA-A上のネオアンチゲンを認識するT細胞受容体(T cell receptor, TCR)を確定するため、ネオアンチゲン特異的T細胞よりRNA抽出後、次世代シーケンサーを用いたTCRレパトア解析を行い、ネオアンチゲン特異的なTCR配列を決定した。次にレンチウィルスベクターを用いて、ネオアンチゲン特異的TCRを健常人CD8+T細胞に導入し、遺伝子改変ネオアンチゲン特異的T細胞を作製し、ネオアンチゲンペプチドを負荷した標的細胞(C1R細胞)との細胞傷害活性を確認した。
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Clinical and Experimental Medicine
巻: In press ページ: In press
10.1186/s12894-023-01248-z In press
BMC Urology
巻: 23 (1) ページ: 107
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