研究課題/領域番号 |
21K09350
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
濱川 隆 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (40595394)
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研究分担者 |
窪田 泰江 名古屋市立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (00381830)
太田 裕也 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 臨床研究医 (20814255)
安井 孝周 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (40326153)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 前立腺肥大症 / 線維化 |
研究実績の概要 |
本年度の研究実施計画として、1. 間質優位型前立腺肥大症モデルを用いた前立腺間質の線維化の検討、2. モデルラットの組織の硬さと前立腺間質の組成との相関の検討、3.ヒト前立腺組織における線維化の検討を予定していた。本年度の進捗状況として、1.に関しては、私たちがこれまでに用いてきたモデル動物であり、作成手技は確立している。しかし、コロナ禍の関係もあり、定量PCRやウエスタンブロッティング、免疫染色による評価に用いるための十分な検体量を確保する分のモデル動物が作成できなかった。得られた少ない検体を用いた評価では、前立腺間質組織の増生、特にマッソントリクローム染色にて膠原繊維の発現がみられた。このことから線維化を評価するモデルとしての妥当性が確認された。次に2.については、前立腺間質組織の硬さを測定するために、原子間力顕微鏡の使用を想定していた。しかし、良好なモデル動物の組織検体の確保が難しかったため、現時点では測定できていない。また、原子間力顕微鏡の外注についても、どの部位を撮像するか、どれぐらいの量の検体を比較検討するかなど、実際にかかる価格と得られるデータとのコストパフォーマンスについて詳細な検討が必要であることがわかった。今後、組織確保、外注先の検討を含め、評価を進めていく予定である。最後に3.について、ヒト前立腺生検組織、前立腺肥大症手術における組織を、研究に用いるための倫理申請を行い、現在審査進行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍のため、臨床医療業務との兼ね合いが難しく、研究実施に必要な検体の収集、モデル動物実験に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
各共同研究者と協力し、効率の良い研究実施、評価を用いてすすめていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究はモデルラット、ヒト組織検体を用いて、TGF-βの活性化因子であるTSP-1の産生、TGF-βを介した間質の線維化を評価し、線維化による前立腺間質の硬さの変化を定量化する。また前立腺組織の硬さと排出障害の程度との相関の解析により、BPHの新たな治療戦略を確立することを目指す。計画自体は順調な滑り出しであったがCOVID-19による通常の医療業務が大幅に変更となり、予定してていた研究を進めることができなかった。また国際学会出張も計画していたが、出張することもできなかった。このため次年度使用が生じた。 1)間質優位型前立腺肥大症モデルを用いた前立腺間質の線維化の検討 2)ii.モデルラットの前立腺間質組織の硬さの検討を加速させたい。
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