研究課題/領域番号 |
21K09371
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
黄 鵬 岡山大学, 医歯薬学域, 研究准教授 (00610841)
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研究分担者 |
渡部 昌実 岡山大学, 大学病院, 教授 (70444677)
荒木 元朗 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (90467746)
植木 英雄 岡山大学, 医学部, 技術専門職員 (90537218)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 前立腺癌 / REIC/DKK-3 / 骨髄由来免疫抑制細胞 / 免疫逃避 |
研究実績の概要 |
癌の研究開発において、癌免疫逃避機構に関する最近の注目すべき研究として、骨髄由来免疫抑制細胞(MDSC: myeloid-derived suppresser cell)が、癌に対する免疫監視機構や抗腫瘍免疫を負に制御して癌の悪性進展の中心的役割を担っていることが明らかにされつつある。本申請研究では、骨髄由来免疫抑制細胞の抗癌免疫逃避機構の解明に基づく革新的癌創薬の探索を目指している。本年度は、 ①前立腺がん担癌マウスより末梢血を採収後FACS AriaでMDSSC細胞を分離し、MDSC細胞の表面マーカーの確認を行った。分離したMDSC細胞に対するREIC/Dkk-3タンバク質の抑制効果の観点から解析した。さらに、Ad-REICの抗癌作用に基づく免疫逃避応答に関する機序を解明し、その有効性を検証した。 ②分離したMDSC細胞にREIC/Dkk-3タンパク質を作用させ、1分、30分、1時間、6時間、24時間後細胞内タンパク質を抽出し、または特異的siRNAによりノックダウンさせ、遺伝子-タンパク質発現変動をマイクロアレイやタンパク質抗体アレイ等により解析した。また、Western blot法により関連したパスウェイ内の各種タンパク質およびそのリン酸化の動態を実験した。 ③細胞核内の標的遺伝子群(転写されるタンパク質群)の同定を行い、REIC/Dkk-3とMDSC細胞膜上での結合分子・受容体の同定解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3年度予定していた骨髄由来免疫抑制細胞の抗癌免疫逃避機構の解明に基づく革新的癌創薬の探索は予定通り実証することができた。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度に引き続き、外源性REICより骨髄由来免疫抑制細胞の抗癌免疫逃避機構の解明に基づく革新的癌治療のメカニズムの一端を解明するため、前立腺がん担癌マウスモデルに対するREIC/DKK3遺伝子の有効性を検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画していた次世代シークエンサーを、次年度に行うよう計画を変更した。 未使用額は、次年度の次世代シークエンサーに関する網羅的解析の費用に充てる予定である。また、次年度は予定通り外源性REICより骨髄由来免疫抑制細胞の抗癌免疫逃避機構の解明に基づく革新的癌治療のメカニズムの一端を解明するため、前立腺がん担癌マウスモデルに対するREIC/DKK3遺伝子の有効性を検証する。そのための抗体購入費用や予定している実験に使用する試薬の購入費用および論文発表のための費用などに使用する。
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