研究課題/領域番号 |
21K09372
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
亭島 淳 広島大学, 医系科学研究科(医), 准教授 (20397962)
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研究分担者 |
小畠 浩平 広島大学, 病院(医), 助教 (10749998)
坂本 直也 国立研究開発法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター, ユニット長 (20571798)
後藤 景介 広島大学, 病院(医), 助教 (30784251)
関野 陽平 広島大学, 病院(医), 医科診療医 (30837810) [辞退]
池田 健一郎 広島大学, 病院(医), 助教 (50624863)
林 哲太郎 広島大学, 医系科学研究科(医), 講師 (60612835)
井上 省吾 広島大学, 病院(医), 講師 (90457177) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 去勢抵抗性前立腺癌 / 繊維芽細胞成長因子 / オルガノイド |
研究実績の概要 |
去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)の中でも特に治療抵抗性となるアンドロゲンレセプター(AR)陰性症例では、これまで広く知られてきた神経内分泌分化(NE)を有する癌の他に高頻度に繊維芽細胞成長因子とその受容体(FGF-FGFR)のシグナル活性化で特徴づけられる症例集団の存在が報告されており、個別化医療の確立と新たな治療標的同定のために多様な分子機構の解明が急務である。 オルガノイドは患者ごとの組織の特性をin vitroで忠実に再現することができる画期的なモデルである。さらに私たちは、前立腺癌のオルガノイドを樹立し、その遺伝子発現解析を行ってきた。本研究では、CRPC症例の前立腺癌部位を再生検して、オルガノイドを樹立することから開始している。前立腺癌のホルモン療法にもかかわらず、PSAが上昇してきた症例に対して、PET-CTや前立腺MRI検査を行い、CRPCとして再燃している責任病巣を同定し、同部位を生検、オルガノイド作成を行っている。PET-CTでSUVが高い部位や全身MRIのDWIが高い部分で、CRPCのがん細胞が同定できることを確認している。作成したオルガノイドは、経代するとともに凍結保存、遺伝子発現解析、薬剤感受性試験を施行している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、CRPCの薬剤耐性機構におけるFGF-FGFRシグナルの役割を患者由来オルガノイドの解析によって明らかにすること、さらに患者由来オルガノイドにおいて異常が認められたFGF-FGFRファミリーについて遺伝子編集を用いて操作し、CRPCの増殖、転移、薬剤耐性獲得におけるFGF-FGFRの役割について解析することを目的としている。 CRPC症例由来のオルガノイドを樹立する時に、CRPC症例において再生検の承諾をえて、組織採取し、オルガノイド化する部分で、検体数やオルガノイド樹立で苦労している。さらにオルガノイドの維持や保存を増やし、遺伝子編集を行うためのサンプル準備に時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
より多くの臨床検体から、CRPC症例由来のオルガノイドを作成し、FGF-FGFRファミリーの発現解析、網羅的遺伝子発現解析、薬剤感受性評価を行う。各CRPCオルガノイドの遺伝子発現プロファイルを明らかにし、遺伝子変異をシークエンスで確認する。FGF-FGFRファミリー、MAPK、AR、神経内分泌マーカーの発現、変異の有無に基づき症例を分類し、各々の遺伝子発現、変異と薬剤感受性の相関を解析する。薬剤耐性を示す群において重要な遺伝子群やpathwayを同定する。 樹立し遺伝子発現状況が把握できているCRPCオルガノイドに、ドセタキセル、カバジタキセルを添加し、薬剤感受性を調べる。次に各FGF-FGFRファミリーを標的とするguide RNAを設計し、CRISPR/CAS9を同時に発現するベクターを用いて、それらの遺伝子異常を同定したCRPCオルガノイドに形質導入し、増殖能や薬剤感受性の変化をin vitroで評価する。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和3年度は、予定していたよりCRPCのオルガノイド作成症例数が少なく、研究使用額を減らし、次年度に繰越とした。約20症例のCRPCのオルガノイドが樹立されたところで、令和4年度以降にまとめて遺伝子発現解析のために研究費を使用する予定である。
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