研究課題/領域番号 |
21K09385
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
岩崎 研太 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (10508881)
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研究分担者 |
石山 宏平 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (50437589)
小林 孝彰 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70314010)
三輪 祐子 愛知医科大学, 医学部, 助教 (90572941)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | アロ応答 / 臓器移植 / 免疫寛容 / CD4 T-cell / 抗原提示 |
研究実績の概要 |
DSA産生に直結するIndirect アロ応答制御は移植臓器長期生着に必須であるが、その評価法は定まっていない。本研究ではIndirectアロ応答評価法の確立と、レパトア解析を加えたドナー特異的免疫応答を評価した。X線照射したドナーPBMCとレシピエントCD14陽性細胞を混合し、IL-4/GM-CSFで4日間、IL-1β/TNFαで2日間培養したものをDendritic cell (DC)とした。ドナー細胞貪食DCとの混合培養でCD4 T細胞増殖が強くみられ、CD4 T細胞の約1%程度のTfh様細胞(PD-1highCXCR5+ICOS+CD40L+)の分画が出現した。未感作健常人検体を用いた実験では、IFNɤ・IL-21産生とTfhへの分化はnaive細胞からのみ確認され、特定のTCRの増幅が確認された。DSA陽性腎移植患者検体では、memory CD4 T細胞からもサイトカイン産生が確認された。さらに移植前にnaiveに属する特定のTCRクローンが、de novo DSA検出時にはドナー応答性memory CD4 T細胞から検出された。in silicoによるエピトープ解析に加え、感作状態を把握できるindirect アロ応答評価と動的に変化するTCRレパトアの解析により、DSAに対する新たな戦略への応用が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた、臓器移植患者検体を用いたドナー特異的応答のin vitro実験系は確立できた。さらにドナー特異的抗体を産生した患者検体では、その応答性と臨床経過との相関がみられた。これらは論文として今年度中に投稿予定である。 加えて、ドナー特異的応答T細胞をsingle cell NGSによる解析に着手できた。レパトア解析と合わせることで、in silicoとin vitro解析との相関性について検討する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
おおむね順調に進行している。研究協力者との連携に加えて、あらたなバイオインフォマティクス研究者との共同研究にも着手している。今後の課題としては、in vitroで得られる知見が、臨床経過と相関するのかどうかの見極めをしていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
共同研究以来の研究開始が年度内に始まらなかったため。2022年4月に既に使用した。
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