研究課題/領域番号 |
21K09392
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
伊藤 秀明 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (00345620)
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研究分担者 |
小林 久人 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (10792541)
谷尾 信 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 医員 (40867280) [辞退]
横山 修 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (90242552) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 男性下部尿路症状 / 前立腺 / アンジオテンシン受容体拮抗剤 |
研究実績の概要 |
これまでの報告から、アンジオテンシン受容体拮抗剤(ARB)によるレニンーアンジオテンシン系抑制が膀胱・前立腺双方に作用して膀胱平滑筋過活動・前立腺増殖を抑制し, 男性LUTS改善につながる可能性が推測されている。われわれは高血圧治療患者の疫学調査を行い、降圧薬単剤による治療中の高血圧患者の下部尿路症状(LUTS)有病率は、男性においてはARB治療群で有意に低い (p<0.005)が、女性ではこの傾向は認められないというデータを得ている(未発表データ)。このことからARBのLUTSに対する効果は膀胱ではなく前立腺に対する影響が主ではないかと考え、前立腺上皮細胞株PrEC、前立腺間質細胞株PrSCおよび前立腺平滑筋細胞細胞株PrSMCを用いたin vitro実験を中心に研究を計画した。 まず3種の細胞株をアンジオテンシンⅡおよびARBで処理し、細胞増殖をMTT assayにて計測した。予想通り上皮細胞由来であるPrECの細胞増殖はアンジオテンシンⅡやARBの影響を受けなかった。一方、平滑筋細胞由来のPrSMCは高濃度のアンジオテンシンⅡ処理による細胞増殖への影響が認められた。今後ARB投与による前立腺細胞に対するオートファジーあるいはアポトーシス誘導の判定や、western blotting法を用いた遺伝子発現変化の検出のために細胞培養や投与薬物量の条件設定を行っている。 得られた研究成果は日本泌尿器科学会総会、泌尿器科分子・細胞研究会などにて報告予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初得られるデータにばらつきがあったため、複数の実験者による実験を重ね再現性の確認を行いながら進行してきた。異動による担当者変更もあり計画通りには進んでいない。最近は実験手技も安定してきており、今後は遅れを取り戻せると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
安定したデータが得られるようになってきており、今後はスピード感を持って計画の遅れを取り戻す。 未発表の疫学調査(ARBのLUTS有病率への影響)結果の公表も計画する。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響で学会参加に関する支出に計画と大きな差が生じた。COVID-19の状況にもよるが今後は学会参加も検討していく。
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