研究課題/領域番号 |
21K09396
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山道 岳 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (40882262)
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研究分担者 |
田中 啓之 大阪大学, 医学系研究科, 特任教授(常勤) (00432542)
植村 元秀 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (40631015)
王谷 英達 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (60727965)
武田 理宏 大阪大学, 医学部附属病院, 准教授 (70506493)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | GDPP / 大阪臨床研究ネットワーク / 転移性骨腫瘍 |
研究実績の概要 |
我々は先行研究でGDF15 propeptide(GDPP)が血中に分泌されることを世界に先んじて見出してELISA法によりその測定系を確立し、さらにGDPPは骨関連細胞から分泌されることも明らかにした。前立腺癌・尿路上皮癌・腎癌患者(合計209例、骨転移107例)と健常者(59例)の保管血漿を用いてGDPP値を検討したところ骨転移診断におけるAUCは前立腺癌・尿路上皮癌・腎癌でそれぞれ0.90,0.87,0.81と高値でありALPではそれぞれ0.65,0.87,0.67でありいずれにおいてもGDPPの方がAUCが高値であった。また、前立腺癌骨転移患者の骨シンチグラフィーのBSIとの相関を調べたところ、GDPPは相関しており(r=0.81)これはPSA(r=0.41)やALP(r=0.13)やmGDF15(r=0.45)よりも有意に相関している(いずれもp<0.05)という結果であった。 つまり我々が見出した血中GDPP値測定は泌尿器癌において従来の臨床で用いられている血中バイオマーカーよりも骨転移を鋭敏に診断できかつ、骨転移量と強く相関している可能性が示された。 さらに、大阪臨床研究ネットワークに参加している関連施設とも前立腺癌の骨転移診断血液バイオマーカーに関して共同研究を並行して行いその成果としての論文を投稿中であり(Yamamichi G, et al, 2022. under review)、この実績から研究を広げていきたい。 今後は泌尿器癌に限らず、乳癌や肺癌を含めて多施設をまじえて癌腫横断的に骨転移の病態とGDPPが関連することを臨床的に検討しつつGDPPの機能解析をvivoとvitroで行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID19の影響で実験やネットワークの構築が当初の予定より遅れているが初期成果としての論文を投稿中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は大阪臨床ネットワークの拡充をはかっていく。またこのネットワークも利用して泌尿器癌に限らず、乳癌や肺癌を含めて多施設をまじえた癌腫横断的な骨転移の病態とGDPPとの関連を臨床的に検討しつつGDPPの機能解析をvivoとvitroで行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究を進めていくうえで必要に応じて経費を執行したため、当初の見込み額と執行金額が異なった。
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