今後の研究の推進方策 |
まず,昨年度作製した線維化モデルにおけるHIFを持続活性化させることが知られているHIF-PH阻害薬の線維化への効果を検討する。さらにこの効果におけるHIF-1、HIF-2の役割を明らかにすることによりHIF-PH阻害薬の腎線維化に対する効果の分子機構を解析する。具体的には,まず,HIF-PH阻害薬を投与した腎線維化マウスの解析を進める。①HIF-PH阻害薬の投与および線維化モデルマウス作製して,野生型マウスにHIF-PH阻害薬とプラセボ薬を経口投与し同日UUO手術を行う。術後も連日薬剤を投与して、線維化が進行した段階で腎臓を摘出して解析する。上記の実験をUUO術後day3、day7、day14で行って結果を比較する。線維化の解析として,腎臓摘出時の採血で赤血球、Hb値、Htを評価(HIF-PH阻害薬の効果を確認),UUOモデル腎臓のマクロファージ浸潤ならびにコラーゲン発現量を免疫染色で評価する。また腎組織のerythropoietinを含むHIF依存性遺伝子群, 線維化関連因子(collagen I, collagen III, TGF-β, CTGF. PAI-1, LOXL2)、炎症関連分子(CCL2, TNF-α, ICAM-1, VCAM-1)RNA発現量をreal-time PCR法で、蛋白発現はウエスタンブロット法にて解析する。同様の解析をアデニンモデルにおいても行う。
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