研究課題
本研究課題では,腎移植後の予後を規定する腎線維化病態について,関連する低酸素シグナルを介する分子機序を明らかにすることを第一目的とし,得られた知見をもとに治療標的の提案を目指す。腎移植成績において短期的な移植腎生着率は飛躍的に改善した。しかしながら、現在も長期的な移植腎予後は改善したとは言えず、克服すべき課題として移植腎長期生着が挙げられる。様々な因子が移植腎にダメージを与えるが移植腎機能不全に至る過程で共通して認められる病態が腎線維化である。腎障害が進行する過程で腎組織が低酸素に陥り低酸素誘導性因子 Hypoxia inducible factor(HIF)が活性化され様々な遺伝子発現を誘導することが知られている。本研究ではHIFを持続活性化によって誘導される遺伝子群で腎線維化抑制に関わる分子を同定することを通して新しい腎線維化治療法の開発を目指す。最終年度は、尿細管間質の線維化モデルであるアデニン負荷による慢性腎不全腎線維化モデルを用いた。同時に導入したperiostin発現細胞が標識される動物モデル(periostin-Cre; Rosa26-LSL-tomatodtマウス)をベースに確立した線維化モデルを作製した。そして腎線維化形成の時系列変化とtomato蛍光標識を指標にperiostin発現細胞の数と発現領域の相関について解析することにより、periostin発現細胞を組織より採取する病態ポイントを決定した。また、腎組織から単一細胞網羅的遺伝子発現解析を施行することにより、線維化早期に発現する線維化マーカー候補分子を抽出した。
すべて 2023
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件、 オープンアクセス 8件)
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