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2022 年度 実施状況報告書

血清エクソソームを用いた去勢抵抗性前立腺癌治療薬の感受性診断

研究課題

研究課題/領域番号 21K09437
研究機関藤田医科大学

研究代表者

加藤 卓  藤田医科大学, 医学部, 准教授 (50596202)

研究分担者 水谷 晃輔  岐阜大学, 医学部附属病院, 准教授 (80397356)
川上 恭司郎  地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (90589227)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードエクソソーム / 去勢抵抗性前立腺癌 / アンドロゲン除去療法
研究実績の概要

血清エクソソームを用いた去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)治療薬の感受性マーカーの探索のため、第2世代のAndrogen receptor(AR)シグナル標的治療(ARAT)の一つであるアビラテロン投与前と耐性獲得後の去勢抵抗性前立腺癌患者のエクソソームよりRNAを抽出しRNA-sequenceを施行した。
RNA-sequenceの結果、ARにより転写活性が制御されるRNAが、アビラテロン耐性獲得後のエクソソーム内に高発現していた。その中で遺伝子Xに着目し、digital PCRを用いて、前立腺癌患者血清由来のエクソソーム内の遺伝子Xを定量した。その結果遺伝子Xは未治療の転移性前立腺癌患者やARAT投与前のCRPC患者と比べ、ARAT耐性を獲得したCRPC患者の血清エクソソーム内で有意に発現が上昇していた。さらにアンドロゲン除去療法により治療を行った前立腺癌患者の中でエクソソーム内に遺伝子Xが発現している症例は、発現していない症例と比べ有意に予後不良であることを見出した。
次に遺伝子Xの前立腺癌組織内での発現を公共のデータベースを用いて解析した結果、遺伝子XはARタンパクやARシグナル活性と有意な負の相関を認め、ARの発現が低下している神経内分泌前立腺癌では通常の腺癌と比べ、有意に発現が上昇していた。
続いて遺伝子Xの機能解析のため、前立腺癌細胞株に遺伝子XのsiRNAを導入しプロテオーム解析を行い、遺伝子XはARシグナルを抑制していることを見出した。
以上の結果から、エクソソーム内の遺伝子Xは、組織でのARシグナルと負の相関を有し、アンドロゲン除去療法感受性の予測マーカーとなる可能性を見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の計画では網羅的解析によりARAT感受性に関する候補マーカーを抽出し、その発現レベルを定量することにより、薬剤感受性を予測できかを検討することを目標とした。RNA-sequenceの結果、アンドロゲン除去療法感受性やARAT耐性マーカーとなりうる遺伝子Xを同定することに成功し、概ね計画通りに進行している。

今後の研究の推進方策

同一前立腺癌患者の組織とエクソソーム内の遺伝子X、ARおよびARシグナルに関わる遺伝子、タンパクを比較し、エクソソームは前立腺癌組織での発現を反映しているかを検討する。また、遺伝子X以外の標的遺伝子の同定を進める予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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