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2021 年度 実施状況報告書

HPV E7 mRNA特異的機序を標的とする新規子宮頸癌予防・治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K09464
研究機関筑波大学

研究代表者

秋山 梓  筑波大学, 医学医療系, 講師 (80647272)

研究分担者 水口 剛雄  筑波大学, 医学医療系, 准教授 (40372396)
佐藤 豊実  筑波大学, 医学医療系, 教授 (80344886)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワード子宮頸癌 / ヒトパピローマウイルス / E7蛋白
研究実績の概要

E6 mRNAおよびE7 mRNAがそれぞれそのように異なる分子機序を介して、CINから浸潤癌への進展に関与しているのかを解明し、E7 mRNAがより悪性度の高い病変形成に関与する機序を解明することを目的として、HPV16陽性CaSki細胞およびHPV18陽性HeLa細胞へ遺伝子特異的siRNAをトランスフェクションすることにより、E6および/またはE7癌遺伝子をノックダウンし、ウェスタンブロットにより蛋白発現を、Colony formation assayにより細胞増殖を、フローサイトメトリーにより細胞周期およびアポトーシスを解析した。CaSki細胞およびHeLa細胞両者において、E6遺伝子ノックダウンによりp53蛋白発現は増加し、E7遺伝子ノックダウンによりRb蛋白発現は増加した。E7ノックダウンはCaSki細胞の増殖を減少し、E6ノックダウンはHeLa細胞の増殖を減少した。E7ノックダウンはCaSki細胞でG1アレストを誘導した。HeLa細胞において、E6ノックダウンはアポトーシスを誘導し、E7ノックダウンはG1アレストを誘導した。以上の結果から、CaSki細胞ではE7遺伝子がRbの抑制によりG1アレストを抑制することで細胞増殖を促進し、一方HeLa細胞ではE6遺伝子がp53の抑制によりアポトーシスを抑制し、E7遺伝子がRbの抑制によりG1アレストを抑制することにより、細胞増殖を促進する可能性が示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

図で示した研究の手順に沿って研究が進行している。

今後の研究の推進方策

今後さらに遺伝子特異的siRNAをトランスフェクションしたCaSki細胞およびHeLa細胞において、TUNEL染色およびAnnexin Vアッセイによりアポトーシスを、Wound healing assayにより細胞移動能を、またボイデンチャンバーにより細胞浸潤能を解析する予定である。次に、これらE6・E7遺伝子による異なる細胞機能の分子経路を解明するため、遺伝子特異的siRNAをトランスフェクションしたCaSkiおよびHeLa細胞からmRNAを抽出し、Microarrayによる遺伝子発現解析を行う。これらの解析結果を比較することにより、E6・E7遺伝子それぞれが特異的に関与するシグナル経路を解析し、さらにRT-PCRおよびウェスタンブロットにより、同定した分子経路の検証を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

学会参加のための旅費を設定したが、COVID-19感染防止対策にて学会開催がウェブのみ、もしくはハイブリッド開催となり旅費の使用がなかった。次年度は試薬などの消耗品に使用する。

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公開日: 2022-12-28  

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