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2021 年度 実施状況報告書

胚着床における子宮内膜由来のエクソソームの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 21K09468
研究機関京都大学

研究代表者

佐藤 幸保  京都大学, 医学研究科, 非常勤講師 (00508236)

研究分担者 堀江 昭史  京都大学, 医学研究科, 講師 (30535836)
奥宮 明日香  京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (70893791)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードエクソソーム / 非分泌タンパク / 子宮内膜
研究実績の概要

これまで、子宮内分泌物についてはサイトカインやヒアルロン酸などの細胞外基質における様々な研究がなされているが、胚の着床促進を目的とした治療について確立したものはない。そこでこれまでほとんど着目されていないextracellular vesicle(EV)に焦点を当てることで、これまで解明されていない胚と子宮内膜間のクロストークを含む様々な機能について解析することとしている。
まず、非交配マウス子宮内洗浄液中のexosomes濃度をexosome分泌阻害剤投与の有無で比較検討する。さらに交配後マウスの着床数・妊娠数をexosome分泌阻害剤投与の有無で比較検討した。
early endosomesからexosomesが形成される過程で、 ESCRT-dependent pathwayとESCRT-independent pathwayが存在するが、GW4869はESCRT independent pathwayに必要なneutral sphingomyelinase (nSMase)を阻害することでエクソソームの分泌を阻害する。まず、卵巣摘出し、エストロゲン投与を行うことで各々のマウス(ICRマウス)のホルモン状態を揃えた。次に腹腔内に生殖のみ投与する生食群、DMSO投与するcontrol群、GW4869を投与するGW4869群で検討した。結果として、着床数、妊娠数いずれもそれぞれの群で差を認めなかった。次に子宮内への直接の投与についても検討したが、control群であっても、正常な着床・妊娠が減少してしまい、実験として子宮内投与は適さないことがわかった。さらに、その他のEV分泌阻害剤(DMA、manumycinA)をもちいて同様に腹腔内投与を行い、検討を行ったが、着床数の減少を認めなかった。以上から、マウスの胚着床において、EVが関与していることは示すことができなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

マウスモデルが確率されることにより、今後EV中の解析が終了した時点で、スムースにin vivo実験を行う予定であった。これについては、本年度の結果は残念ではあるが、一方で、SEC法から得られる情報は非常に大きいことが期待されるため、ヒトのサンプルを検討することで、新たな実験を計画する予定である。

今後の研究の推進方策

マウスとヒトとでは着床メカニズムが大きく異なる。EVの着床における効果として期待されるものとして、胚の接着率の上昇、もしくは胚への機能的変化など直接的な影響が考えられる。現在、マウス実験と並行して、ヒトサンプルを回収している。
今後これらのサンプルを用いてSEC法により増殖期、黄体期それぞれのEVにおける蛋白解析を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

3月に外注した解析の費用精算が終わっていない。
また、次年度に多数の解析外注を予定しているため、その支払いに充てる予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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