研究課題
17例の脱分化癌症例を解析したところ、3例(18%)がまたMSI-Hを呈しており、脱分化部分では9例(53%)がPD-L1を発現し、CD-8陽性のtumor-infiltrating lymphocyteの存在と有意に相関していた(p=0.026)。一方、高分化部分ではPD-L1を認めなかった。またミスマッチ修復欠損(MMRd: MMR deficiency)はPD-L1発現と有意に関連しており(p=0.026)、脱分化癌、中でも脱分化部分は免疫チェックポイント阻害薬の良いターゲットになり得ることが示唆された。また、脱分化癌18例とG1/G2類内膜癌273例、G3類内膜癌41例、癌肉腫34例、その他の組織型の子宮体癌49例(漿液性癌30例、明細胞癌10例、粘液性癌8例、扁平上皮癌1例)における無増悪生存期間(PFS: Progression-Free Survival)と全生存期間(OS)を解析したところ、脱分化癌の10年PFSは40%程度、10年OSは30%程度であり、G1/G2類内膜癌、G3類内膜癌、その他の組織型と比較して有意に予後不良であった(未unpublished data、投稿準備中)。また癌肉腫と比較しても有意差はないものの、予後不良な傾向を示した。さらに、子宮体部脱分化癌3症例で高分化癌部分と脱分化癌部分の全エクソン解析の結果、脱分化癌の部分で高度に遺伝子変異が蓄積しており、免疫チェックポイント阻害剤が有効である可能性が示唆された。
2: おおむね順調に進展している
研究は概ね順調に進んでいる。
脱分化癌部分の全エクソン解析の結果、脱分化癌の部分で高度に遺伝子変異が蓄積しており、免疫チェックポイント阻害剤が有効である可能性が示唆された。このデータを基に論文化を進めている。
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