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2021 年度 実施状況報告書

受容体協調作用を介したV1a受容体の子宮収縮機序の解明と早産治療ターゲットの導出

研究課題

研究課題/領域番号 21K09477
研究機関自治医科大学

研究代表者

土屋 裕義  自治医科大学, 医学部, 講師 (80508755)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードバソプレッシン受容体 / オキシトシン受容体 / 早産 / 分娩 / AAV / RNAi
研究実績の概要

欠損マウスを用いて分娩機能を評価する際、全身性の欠損マウスでは生殖組織の分化時の異常を排除できない。また、複数の遺伝子欠損モデルを簡便に作成することができない。そのため、我々はアデノ随伴ウイルス(AAV)とRNAi技術を用いて、後天的に遺伝子欠損を起こしたマウスを作成し、分娩機能を制御しようと試みている。本研究年度では系の作成を主眼に置き、分娩と深く関わると知られるオキシトシン受容体のRNAiを行うことで、分娩への影響を精査する実験を進めてきた。
マウスのオキシトシン受容体の最も有効かつ特異的なRNAi配列を特定するため、オキシトシン受容体の遺伝子情報からRNAi Designerという設計ソフトを用いて、4種の候補配列を作成した。そして、そのぞれぞれにおいて効率的なRNAiを行うためのプラスミド作成には、InvitrogenのBLOCK-iT(TM) Pol II miR RNAi Expression Vector KItsを利用した。その後、組み込まれたプラスミドをオキシトシン受容体を安定発現させたCHO細胞にトランスフェクションさせることで最も効率的な遺伝子配列を特定した。今後はこの特定した遺伝子配列を組み込んだAAVを作成し、妊娠マウスに感染させることで、分娩に対する影響を調べる。その上で、オキシトシン受容体の発現低下がもたらす影響や全身性の効果、RNAiの最適な系の確立を行っていく。
バソプレッシンV1a受容体は分娩遅延をもたらすが、これが分娩時に特化した作用かどうかは明らかとなっていない。そこで、引き続きV1a欠損マウスの生殖生理解析を行っているが、その観察結果から、産仔数減少は子宮内での胎仔の発育異常の結果生じることが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルスの蔓延による海外拠点の物流の不安定化ならびに事業所の休業・閉鎖などの影響により、必要な試薬やキットの納品まで通常1ヶ月程度で揃うものが6ヶ月近くかかってしまった。当然その分実験計画自体が遅くなってしまい、当初の予定が遅延する原因になった。物品が搬入された年度後半からは問題なく進んでいる。しかしながら、このような事態が続くならば、将来的に再度遅延を生じることが懸念される。先を見込んで対応できるものであれば大きな問題とはならないが、得られた結果により新たに注文が発生するものに関しては対応することができず、研究への影響が懸念される。

今後の研究の推進方策

新型コロナウイルスの蔓延による納品の遅延の影響を受けて研究は遅延気味であるが、研究自体は計画通りに進んでいる。今後は新型コロナウイルスの収束あるいは行動規制緩和をすることを想定し、学会への参加あるいは連携研究者との精力的な情報交換を行うことにより、研究の遂行および問題の解決のためのアイデアの獲得を重点的に行なっていく。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスの蔓延による研究開始に必須の物品の納品遅延の影響を受けて研究は当初の計画より遅延している。しかしながら、搬入後は計画通りに進んでいる。開始が遅延した分、計画は後ろ倒しになってしまっているため、令和3年度の使用分は減少してしまった。令和4年度の開始とともに支払いが生じたものも既にあり、次年度使用額として繰り越した金額については、今後の研究期間を通して実験計画の達成を目指すために予定通り執行する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] V1a受容体欠損マウスの産仔数は子宮内での成長異常により減少する2022

    • 著者名/発表者名
      土屋裕義,東森生,持丸雄太,輿水崇鏡
    • 学会等名
      第95回日本薬理学会年会
  • [学会発表] V1a受容体欠損マウスで観察される産仔数減少とその原因となる胎仔の異常2021

    • 著者名/発表者名
      土屋裕義,東森生,持丸雄太,輿水崇鏡
    • 学会等名
      第114回日本繁殖生物学会大会

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公開日: 2022-12-28  

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