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2021 年度 実施状況報告書

ハイドロゲルを用いたがん幹細胞形質の誘導と新規治療標的の探索

研究課題

研究課題/領域番号 21K09485
研究機関北海道大学

研究代表者

渡利 英道  北海道大学, 医学研究院, 教授 (10344508)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワードがん幹細胞 / 卵巣がん
研究実績の概要

ダブルネットワーク(DN)ゲル上での各種卵巣癌培養細胞株の癌幹細胞モデルとしての妥当性を検証することを目的に、実験を行った。まずはじめに予備実験においてpolystyrene培養皿上で培養された対照培養細胞ではsphere形成を示さず、DNゲルコーテイング培養皿上でのみsphere形成を示したTUOM-1株を用いて再現性を確認した。その結果、DNゲルコーテイング培養皿上でsphere形成を示す場合と示さない場合が観察された。DNゲル上でsphere形成を示す細胞およびpolystyrene培養皿上で培養された対照細胞からそれぞれmRNAを抽出し、癌幹細胞マーカー分子(Nanog, SOX2, Oct3/4など)の発現変化をリアルタイムPCRにより定量比較したところ、sphere形成を示す場合にはがん幹細胞マーカー分子の発現上昇が確認されたものの、sphere形成を認め無い場合にはがん幹細胞マーカー分子の発現上昇も観察されなかった。そのため、実験に使用したDNゲルのロットによる性質の違いがある可能性を考え、新たに作成した異なるロットのDNゲルを用いて再度検討したが、やはり安定的な再現性を得ることができなかった。
そこで、さらに他の卵巣癌細胞株を用いて検討することとし、現在実験を継続しているところであるが、まずはコンスタントにDNゲル上でのみsphere形成とがん幹細胞マーカー分子の発現上昇を認める培養細胞株を複数見いだすことを目指すとともに、他の婦人科悪性腫瘍細胞株(子宮頸がん、子宮体がん、子宮肉腫)を用いた検討にも着手する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

予備的な検討では、既存の卵巣癌細胞株とダブルネットワークゲルを用いることで再現性よく卵巣癌幹細胞を誘導することが可能と考えていたが、必ずしも安定した再現性が得られていないことから、計画通りには進捗していないと考えている。

今後の研究の推進方策

今後は、他の卵巣癌細胞株についても検討を行う予定である。さらに卵巣癌のみならず子宮頸癌、子宮体癌、子宮肉腫などの細胞株について検討をすることで婦人科癌における安定的な癌幹細胞の誘導方法の確立とともに、それらの解析から新たな知見が得られることを目指していくことを考えている。

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公開日: 2022-12-28  

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