研究課題/領域番号 |
21K09490
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
石黒 竜也 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (80625690)
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研究分担者 |
榎本 隆之 新潟大学, 医歯学系, 特任教授 (90283754)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | がん幹細胞 / 子宮体癌 / 卵巣癌 / 微小環境 / アルデヒド脱水素酵素 |
研究実績の概要 |
本研究では,がん幹細胞と微小環境との関わりを明らかにすることを目的に,卵巣がん・子宮体がんヒト臨床組織検体よりがん細胞と非がん細胞(間質細胞・免疫細胞)の分離抽出を行った。 われわれはアルデヒド脱水素酵素活性をがん幹細胞のひとつの機能的な指標として報告しているが, がん細胞をとりまく非がん細胞(微小環境)が,このアルデヒド脱水素酵素活性を有するがん幹細胞の特性の維持に寄与している可能性を見出した。また,我々はこれまでにアルデヒド脱水素酵素が糖輸送体GLUTを介して解糖系に寄与し,がん幹細胞の維持に関与していることを報告している。今回のこれまでの研究成果で,アルデヒド脱水素酵素があらたにがん生存・増殖に寄与する他の重要なシグナルに影響し,がん幹細胞性質に寄与していることを見出した。さらに,我々のin vitro培養系を用いた薬剤の細胞増殖抑制効果は,殺細胞性薬剤のみならず,特異的阻害剤についても,in vivoでの腫瘍増殖抑制効果と相関していることを検証し得た。 つまりこれらの結果より,アルデヒド脱水素酵素を中心としたさまざまなシグナルにより維持されるがん幹細胞性におよぼす微小環境の役割およびこれらを考慮した治療への展開をわれわれの培養系で検証し得る可能性を見出しており,現在種々の細胞を用いた再現実験での確認を進行している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初,線維芽幹細胞の存在を想定し,研究の立案を行ったが,現時点では同細胞を明確に区分できていない。また試薬入荷に時間を要するなどの問題も続いている。しかし,線維芽細胞を含めた微小環境ががん幹細胞に及ぼす影響を検証しいえるとともに,新たながん幹細胞性の維持機構およびこれらを標的とした特異的阻害剤の有効性を検証している。以上より,現時点での進捗はおおむね順調と判断する。
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今後の研究の推進方策 |
線維芽幹細胞は見いだせなかったものの,アルデヒド脱水素酵素を中心としたさまざまなシグナルにより維持されるがん幹細胞性におよぼす他の微小環境の役割を明確にし,これらを考慮した治療への展開をめざす。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID19流行などの社会的事情を背景として試薬などの入荷に時間を要したため 当初の予定から修正した研究を遂行したため。
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