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2023 年度 実施状況報告書

がん幹細胞と微小環境の相互作用を標的とした婦人科悪性腫瘍の新規治療法の探索

研究課題

研究課題/領域番号 21K09490
研究機関新潟大学

研究代表者

石黒 竜也  新潟大学, 医歯学系, 講師 (80625690)

研究分担者 榎本 隆之  新潟大学, 医歯学系, 特任教授 (90283754) [辞退]
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード癌幹細胞 / 子宮体癌 / 卵巣癌 / 解糖系
研究実績の概要

本研究では,がん幹細胞と微小環境との関わりを明らかにすることを目的に,卵巣がん・子宮体がんヒト臨床組織検体よりがん細胞と非がん細胞(間質細胞・免疫細胞)の分離抽出を行った。
われわれはアルデヒド脱水素酵素活性をがん幹細胞のひとつの機能的な指標として報告しており(Ishiguro et al., Cancer Res 2016, Mori et al., Stem Cell Rep 2019),がん細胞をとりまく非がん細胞(微小環境)が,このアルデヒド脱水素酵素活性を有するがん幹細胞の特性の維持に寄与している可能性を見出した。また,我々はこれまでにアルデヒド脱水素酵素が糖輸送体GLUTを介して解糖系に寄与し,がん幹細胞の維持に関与していることを報告している。今回のこれまでの研究成果で,アルデヒド脱水素酵素が他の解糖系因子を介し,がん生存・増殖に寄与する他の重要なシグナルに影響し,がん幹細胞性質に寄与していることを見出した(論文投稿中)。我々のin vitro培養系は,同カスケードの特異的阻害剤による細胞増殖抑制効果の検証に有用であり,in vivoマウスモデルにおける腫瘍増殖抑制効果と同様の結果が得られることを確認した。
以上これまでの結果により,アルデヒド脱水素酵素と解糖系を中心とした,がん幹細胞の維持に関わる特異的シグナルに対する微小環境の影響を詳細に確認すべく検証を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

試薬入荷に時間を要するなどの問題も続いており,当初3年での研究終了予定であったが,一部の研究を継続している。これまでにアルデヒド脱水素酵素と解糖系を中心とした新たな婦人科がん幹細胞性の維持機構を見出しており,これらを標的とした特異的阻害剤の有効性を現在検証している。以上より,現時点での進捗はやや遅れていると判断する。

今後の研究の推進方策

婦人科がん幹細胞の維持に関わるアルデヒド脱水素酵素と解糖系を中心としたシグナルカスケードを標的とした治療効果を明らかとし,微小環境との関係性を明確にするとともに,これらを考慮した治療への展開をめざす。

次年度使用額が生じた理由

COVID19流行などの社会的事情を背景として試薬などの入荷に時間を要し,当初の予定から修正した研究を遂行したため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Novel therapeutic strategy targeting cancer heterogeneity and metabolism based on a cancer stem cell model2024

    • 著者名/発表者名
      Tatsuya Ishiguro
    • 学会等名
      The 63rd Annual Congress of Taiwan Association of Obstetrics and Gynecology

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公開日: 2024-12-25  

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