研究課題/領域番号 |
21K09491
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
山田 靖 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 助教 (60646652)
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研究分担者 |
塩沢 丹里 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (20235493)
竹内 穂高 信州大学, 医学部附属病院, 助教(診療) (30816351)
宮本 強 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (70418721)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | サイクリンA |
研究実績の概要 |
我々は子宮内膜癌においてサイクリンA2過剰発現が予後不良因子となるなど、悪性度と関連することを報告しており、サイクリンA2を標的とした治療を検討している。低分子化合物ライブラリーのスクリーニングをしたところ、サイクリンA2の転写と細胞増殖を抑制する化合物Xを同定した。これをもとに構造の一部を改変した新規化合物X1を合成した。化合物X1はHUVECなどの正常細胞に影響のない濃度で内膜癌細胞株の増殖を抑制した。 サイクリンA2の機能として、サイクリンA2発現抑制による細胞増殖抑制はHEC1B、Ishikawaでは確認していたが、今回、RL95-2、AN3CAでも有意な細胞増殖抑制が 確認され、子宮内膜癌細胞に対しては普遍的な効果であると考えられた。 我々は共同研究者より子宮内膜癌のモデルマウスであるARID1A、PTENのダブルノックアウトマウスの供与を受け、子宮内膜癌の発がんを確認した。ドキシサイクリン投与によりARID1AとPTENをノックアウト誘導し、化合物X1を子宮内に投与した。コントロールのマウスに比べ、化合物X1を投与したマウスでは、子宮内膜癌の悪性度に変化がみられた。今後は薬剤濃度や内膜癌の誘導する時期などを変え、治療効果のみならず、発癌の予防効果がみられるかを検討していく。 また、化合物X1がサイクリンA2の転写を抑制する作用機序につき、化合物X1と結合する物質の探索を行っているが、同定には至っていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
化合物X1の効果を子宮内膜癌モデルで検証できた。
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今後の研究の推進方策 |
今後も引き続き、生体内での効果と、化合物X1の作用機序につき検討を進めていく。
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