研究課題/領域番号 |
21K09505
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
下屋 浩一郎 川崎医科大学, 医学部, 教授 (40291950)
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研究分担者 |
田中 圭紀 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (00772675)
村田 卓也 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (20714207)
杉原 弥香 川崎医科大学, 医学部, 講師 (90721960)
松本 桂子 川崎医科大学, 医学部, 講師 (70749499)
松本 良 川崎医科大学, 医学部, 講師 (10785645)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 顆粒膜細胞腫 / ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤 / 精漿 / サイトカイン |
研究実績の概要 |
生殖領域における解析:低刺激周期体外受精における採卵時の卵胞液におけるサイトカインと胚盤胞発生率および卵の質との関連を網羅的に解析し、IL-1RA、IL-4、IL-17Aが抽出された。さらに解析を進め、血中のIL-17A濃度が体外受精胚移植の際の卵の質と相関し、有意なマーカーとなりうることが明らかとなり、その結果をもとに男性側におけるこれらの因子の関与について解析する目的で体外受精時の精漿中のこれらサイトカイン濃度と予後について解析を遂行中である。 婦人科腫瘍領域における解析:顆粒膜細胞腫(GCT)細胞株(KGNおよびCOV434)に対するヒストン脱アセチル化酵素阻害剤panobinostat(PS)のin vitro効果を検討した。GCT細胞株はPS処理に感受性が高く、主にアポトーシスによって細胞増殖を抑制した。細胞周期解析では、S期の比率のみを低下させた。PSと脱ユビキチン化酵素阻害剤であるVLX1570を併用すると、p21、cleaved PARP、cleaved caspase-9、heme oxygenase-1の発現、ヒストンH4とα-tubulinのアセチル化を促進し、KGNとCOV434に対して相加的に抗増殖作用が見られた。PS処理により、化学療法による細胞死を引き起こすDNA複製や細胞周期に関連する遺伝子発現が抑制され、KGN細胞ではHDAC阻害剤によるエピジェネティック修飾により予想外の分化能を示す可能性が示された。また、KGN細胞およびCOV434細胞をPSに曝露すると、定量的RT-PCRおよび免疫ブロッティング解析において、アドヘレンス接合に関連する主要な制御因子の一つであるE-カドヘリンの発現が増加した。本結果はHDAC阻害剤を用いたGCTの新規治療法の可能性を示すものであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に沿って生殖領域および婦人科腫瘍領域ともに研究を遂行できており、業績の発表も行っており、研究はおおむね順調に遂行できていると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
研究はおおむね順調に進行できており、研究計画に沿って生殖領域ならびに婦人科腫瘍領域において研究を遂行していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の蔓延により出張費の一部が削減されたことおよび研究の一部内容を次年度に繰り越すこととなったため。卵胞液中に存在する細胞の構成についてFACS解析および精子および精漿に於ける蛋白発現および微小環境の解析は次年度以降に実施する予定である、
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