研究課題/領域番号 |
21K09510
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
甲賀 かをり 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (10396723)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 子宮内膜症 / 子宮腺筋症 / 周産期合併症 |
研究実績の概要 |
子宮内膜症モデルマウスでは、子宮内膜症病変作成後すぐに交配をかけた群(Youngグループ)と病変作成後2ヶ月おいてから交配をかけた群(Agedグループ)を作成し、ヒト患者において発病後すぐに妊娠しようとする群と、発病後しばらく経って高年齢となった場合の比較を試みた。結果として、両グループで子宮内膜症群はコントロール群に比べて、妊娠しにくい、早産しやすい、FGR, IUFDを起こす母獣が多かったが、子宮内膜症群で見ると、Agaedグループで妊娠率は低下しないものの、妊娠成立後、妊娠中にFGR, IUFDを起こす群が、Young群より高かった。現在、このモデル作成については論文準備中、またこの機序について解析中である。
ヒト検体を使った研究では、分娩時の胎盤に付着している脱落膜化についてFactor A, B, C等主にプロゲステロン応答に関する因子について検討をしており、子宮内膜症、子宮腺筋症の合併のある妊婦では、これらの因子の発現に異常があることが明らかとなっており、これらのデータ解析中である。
子宮腺筋症モデルマウスでは、経時的に病変の増殖、血管新生の亢進、線維化の亢進等が観察され、ヒト子宮腺筋症の病変の変化を模倣するモデルが完成した。またこのモデルマウスに交配をかけると自然妊娠をすることも確認した。現在論文投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
子宮内膜症モデルマウスでは、上記のように子宮内膜症病変作成後すぐに交配をかけた群(Youngグループ)と病変作成後2ヶ月おいてから交配をかけた群(Agedグループ)を作成し、ヒト患者において発病後すぐに妊娠しようとする群と、発病後しばらく経って高年齢となった場合の比較を試みた。結果として、両グループで子宮内膜症群はコントロール群に比べて、妊娠しにくい、早産しやすい、FGR, IUFDを起こす母獣が多かったが、子宮内膜症群で見ると、Agaedグループで妊娠率は低下しないものの、妊娠成立後、妊娠中にFGR, IUFDを起こす群が、Young群より高かった。現在、このモデル作成については論文準備中、またこの機序について解析中である。これらは予定通りの進行である。
ヒト検体を使った研究では、分娩時の胎盤に付着している脱落膜化についてFactor A, B, C等主にプロゲステロン応答に関する因子について検討をしており、子宮内膜症、子宮腺筋症の合併のある妊婦では、これらの因子の発現に異常があることが明らかとなっており、これらのデータ解析中である。こちらは検体の収集に時間を要しているが概ね予定通りである。
子宮腺筋症モデルマウスでは、経時的に病変の増殖、血管新生の亢進、線維化の亢進等が観察され、ヒト子宮腺筋症の病変の変化を模倣するモデルが完成した。またこのモデルマウスに交配をかけると自然妊娠をすることも確認した。現在論文投稿中である。こちらも予定通りである。
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今後の研究の推進方策 |
子宮内膜症妊娠モデルマウスでは、については、妊娠させる週齢を最適化し、ヒトの状態を模倣できるように条件設定中である。また妊娠の時期の影響を除外するために体外受精胚移植による妊娠成立方法も条件設定中である。
ヒト検体を使った研究では、分娩時の胎盤に付着している脱落膜化についてFactor A, B, C等主にプロゲステロン応答に関する因のデータ解析を継続し論文発表を行う予定である。
子宮腺筋症モデルマウスに対しても妊娠予後をみる研究のため体外受精胚移植を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年予定した研究の一部がコロナ等の理由ですすまず、物品費を用いなかったため、次年度に使用することとした。
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