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2021 年度 実施状況報告書

慢性羊胎仔実験モデル子宮内感染下における低酸素刺激の影響-脳障害の予防に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 21K09522
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

藤森 敬也  福島県立医科大学, 医学部, 教授 (80285030)

研究分担者 安田 俊  福島県立医科大学, 医学部, 講師 (50566817)
福田 冬馬  福島県立医科大学, 医学部, 助手 (60869006)
経塚 標  福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (00644113)
村田 強志  福島県立医科大学, 医学部, 客員研究員 (00867963)
平岩 幹  福島県立医科大学, 医学部, 助手 (70769463)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード妊娠羊 / 胎児 / 子宮内感染 / 低酸素 / 脳障害 / 胎児心拍数 / 心拍数基線細変動
研究実績の概要

子宮内感染は、発熱に伴い母体の酸素消費を増加させ、さらに胎児の酸素消費量の増加させることにより、胎児の低酸素に対する予備能を低下させる。加えて、高サイトカイン血症を伴う胎児炎症反応症候群にも関与して、分娩に時間を要した際には、胎児の低酸素や酸血症の持続により脳性麻痺を発症する可能性が指摘されている。本研究では、子宮内感染環境下において胎児へのSecond hit hypoxiaは、①どのように胎児心拍数などの胎児生理学的パラメータに影響を与えるのか、また、②それらの刺激はどの程度胎児脳(部位も含めて)障害に影響を与えるのか、について妊娠羊胎仔実験モデルを用いて検証する。本年度は5頭の羊の慢性羊胎仔実験モデルを作成し、LPS10mgの子宮内投与によって子宮内炎症を引き起こした。子宮内炎症から48時間経過後に帝王切開を行い、胎仔脳を摘出してホルマリン固定した。さらに蛋白分析とRNA分析によるアポトーシス解析のために、脳検体の一部を凍結保存したまた、胎盤や臍帯についても、子宮内炎症が起きていることを確認するために、標本作成した。脳については大脳皮質、脳室周囲白質、海馬、中脳、橋、延髄、小脳に分けてHE染色を行った。また、胎盤や臍帯についても、子宮内炎症が起きていることを確認するために、標本作成して評価した。結果、LPS10mgでBlanc分類Ⅲ度の絨毛膜羊膜炎と臍帯炎が引き起こされており、子宮内炎症が起きていることが確認できた。子宮内炎症下で低酸素に曝露されていない胎仔では、HE染色で同定できるような脳障害やアポトーシスは起きていないことが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は10頭の羊を購入して実験を行った。しかし、母獣および胎仔へのカテーテル挿入手術を行って慢性羊胎仔実験モデルを作成し、LPS10mgの子宮内投与を行って子宮内炎症を引き起こしていく過程の中で、5頭が胎仔死亡となったため本研究から除外せざるを得なかった。胎仔死亡の原因分析を行い、術後感染や子宮内での臍帯巻絡などが推定されるイベントと考えられた。5頭については実験プロトコールを完遂し、胎仔脳を摘出してホルマリン固定した。さらに蛋白分析とRNA分析によるアポトーシス解析のために、脳検体の一部を凍結保存した。脳については大脳皮質、脳室周囲白質、海馬、中脳、橋、延髄、小脳に分けてHE染色をおこなった。また、胎盤や臍帯についても、子宮内炎症が起きていることを確認するために、標本作成して評価した。結果、LPS10mgでBlanc分類Ⅲ度の絨毛膜羊膜炎と臍帯炎が引き起こされており、子宮内炎症が起きていることが確認できた。子宮内感染下で低酸素に曝露されていない胎仔では、HE染色で同定できるような脳障害やアポトーシスは起きていないことが明らかとなった。胎児心拍数や血圧、Short-term variabilityなどの胎児生理学的パラメータについても記録したが、これは次年度以降、低酸素曝露群のデータについても記録した後に、比較検討する予定である。

今後の研究の推進方策

次年度からは、子宮内感染に加えて、臍帯オクルーダーを用いた臍帯圧迫などによる低酸素曝露を行い、胎仔脳障害の程度を比較する予定である。HE染色で同定できるような組織学的障害の差がない場合には、さらに蛋白分析とRNA分析によって、脳組織のアポトーシスの程度の違いを検討する。さらに、弱い低酸素曝露と強い低酸素曝露によって、脳組織の障害の程度に違いがあるかを検討する予定である。胎児心拍数や血圧、心拍数基線細変動などの胎児生理学的パラメータについても記録し、対照群のデータと比較検討する予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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