研究課題/領域番号 |
21K09529
|
研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
村田 紘未 関西医科大学, 医学部, 講師 (00460832)
|
研究分担者 |
岡田 英孝 関西医科大学, 医学部, 教授 (80330182)
田中 進 長崎県立大学, 看護栄養学部, 教授 (30399472)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 子宮内膜間質細胞 / 子宮ナチュラルキラー細胞 / 脱落膜化 / LGALS9 / HAND2 / FOXO1 |
研究実績の概要 |
子宮内膜間質細胞が分泌するガレクチン9(LGALS9)は、子宮内膜の主要な免疫細胞である子宮ナチュラルキラー(NK)細胞に作用し分化を促すことによって、子宮内膜免疫寛容に重要な役割を果たしていることが報告されている。これまでにヒト子宮内膜におけるLGALS9の発現動態ならびに転写制御機構は未解明であったが、我々は令和3年度にヒト子宮内膜組織におけるLGALS9の発現動態を明らかにした。 令和4年度はヒト子宮内膜間質細胞におけるLGALS9の転写制御機構の解明を進めた。培養子宮内膜間質細胞への脱落膜化処理(メドロキシプロゲステロン酢酸エステル(MPA)刺激)によってLGALS9発現は増加した。また、ヒト第17染色体上のLGALS9遺伝子とKSR1遺伝子の間の3773bpの遺伝子間領域は種を超えて保存されており、MPA刺激によって、この領域の転写活性の増大が認められた。HAND2/FOXO1抗体を用いたクロマチン免疫沈降-PCR法を行い、HAND2/FOXO1のLGALS9の遺伝子発現制御領域への結合を確認した。さらに、ルシフェラーゼレポーターアッセイを用いて、LGALS9の遺伝子発現制御領域の活性がHAND2によって増大する一方でFOXO1によっては減少することを証明した。 本研究は関西医科大学倫理委員会によって承認され、正常月経周期のある女性から文書による同意を得た後、婦人科良性腫瘍に対する子宮全摘出術後に子宮内膜を採取し検体として用いた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒト子宮内膜間質細胞におけるLGALS9の転写制御機構の解明を進めることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
子宮内膜間質細胞の脱落膜化過程における重要な転写制御因子HAND2およびFOXO1が、LGALS9発現を制御する分子機構を解明する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2022年度は所属の移動があり、実験環境のセットアップに費やしたため、実際の実験への着手が遅れ、予定していた子宮内膜細胞株KC02-44Dの購入を見送った。 2023年度はKC02-44D細胞株とその実験に研究費を使用予定である。
|