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2021 年度 実施状況報告書

メタボローム解析に基づいた卵巣癌腹水におけるがん微小環境の解明と新規治療開発

研究課題

研究課題/領域番号 21K09532
研究機関山形大学

研究代表者

永瀬 智  山形大学, 医学部, 教授 (00292326)

研究分担者 清野 学  山形大学, 医学部, 講師 (40594320)
太田 剛  山形大学, 医学部, 准教授 (50375341)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード卵巣癌 / 腹水 / 腹膜播種 / メタボローム解析 / 抗がん剤耐性
研究実績の概要

本研究では、腹水に特徴的な代謝産物・代謝経路を同定し、腹膜播種発症機序を新たな視点から解明することを第一の目的とする。さらに、腹水・原発巣・血液のメタボローム解析から得られた代謝経路・代謝産物情報を基盤として、腹膜播種や腹水産生制御につながる新規治療法を開発することを最終目的とする。
本年度は第一の目的である腹水に特徴的な代謝産物・代謝経路を同定するための症例登録と検体採取を行った。登録症例は現在まで卵巣癌初発33例、卵巣癌再発2例、良性39例であった。卵巣癌初発において1)貯留腹水を採取した症例が24例(68.5%)、2)手術時の洗浄腹水細胞診によって腹水を採取した症例が11例(31.5%)であった。良性において3)貯留腹水を採取した症例が15例(38.4%)、4)洗浄腹水を採取した症例が21例(64.1%)、不明が3例(7.6%)であった。腹水によるがんの進展機序を明らかにするためには悪性症例の貯留腹水と悪性症例の洗浄腹水、良性症例の貯留腹水、または良性症例の洗浄腹水を検討する必要があり、さらに集積を行う予定である。また、再発に関連した代謝経路・産物や再発時、化学療法抵抗性であれば薬剤耐性に関連した代謝経路・産物のメタボローム解析を行う予定もあるため再発症例の集積も引き続き行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

メタボローム解析を行い、がんの腹水に特異的な代謝経路・代謝産物を見出すために悪性・良性で貯留腹水を採取、洗浄腹水採取したそれぞれの群が30症例程度は必要である。今後は不足している群を積極的に登録し、検体採取を進める予定である。検体採取が完了すれば、我々はメタボローム解析に精通しており、その後の研究は順調に進むと考えられる。

今後の研究の推進方策

検体採取を今後も続けるともに、腹水産生播種モデルマウスによる腹膜播種に関連した代謝経路・産物の同定を進める。我々は卵巣癌細胞株SKOV3ip1にWT1 variant Aをレンチウイルスで過剰発現させることで腹水産生、腹膜播種が増強するモデルを確立させている(Yamanouchi K, Transl Oncol 2014)。Control vectorまたはWT1A variant Aを導入したSKOV3ip1を7~8週令のマウス(C57BL/6NHsd wild-type)に接種し、それぞれのマウスから腹水を採取してメタボローム解析を行い、腹膜播種に関連する代謝経路・産物を同定する実験も進め、患者検体による解析結果との比較を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

残額が少額であり、年度内の使用が困難であったため。

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公開日: 2022-12-28  

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