研究課題
基盤研究(C)
卵巣がんは、婦人科悪性腫瘍の中で最も死亡者数の多い疾患であり、その数は我が国においても年々増加傾向にある。特に日本人に比較的多く、化学療法が奏功しにくいタイプの卵巣がんの三次元培養モデルを用いて同定した、がん細胞の生育を抑える既知薬理活性物質の候補のうち、日本で認可されている医薬品について、レセプトデータ(診療報酬明細書)を含む大規模データベースを用いて、卵巣がんをはじめとするがんの発症を抑制する可能性があるかの検討を行った。
産婦人科分野
新規の医薬品の開発には、莫大な時間と費用を要するが、本研究では、既に安全性が確立されており、他の疾患に使われている薬剤のうち、がんにも有効である薬剤を同定することによる、ドラッグリポジショニング(既存薬の再開発)を目指している。さらに、医薬品のがんに対する有効性を検討するためには、一般には大規模な臨床試験が必要であるが、本研究では診療報酬明細書を含む大規模医療データベースを活用し、なるべく臨床試験に近い条件で解析を行っている。