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2022 年度 実施状況報告書

妊娠中期の頸管長短縮メカニズムの解明と超早産児低減への臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 21K09535
研究機関富山大学

研究代表者

米田 哲  富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (30345590)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード子宮頸管長 / 子宮頸管炎 / 頸管無力症 / 超早産 / ウレアプラズマ/マイコプラズマ / 自然早産
研究実績の概要

無症状の妊娠22~24週における子宮頸管長は、25mm以下となると自然早産のリスクが高まるとされているが、本研究(後方視的検討、対象:妊娠28週未満の子宮頸管長25mm未満の妊婦73例)により、自然早産歴を有する妊婦、羊水中の軽度の炎症所見、子宮頸管炎、子宮頸管長15mm未満、入院管理時の妊娠24週未満であることが、妊娠34週未満自然早産のリスク因子であった。
これらの中で特に頸管粘液中IL-8値(子宮頸管炎のマーカー)が、803.5ng/ml以上および子宮頸管長15mm未満であることが独立した早産リスク因子であることが判明した。
また、子宮頸管長短縮が前駆病変となって発症すると考えられる子宮頸管無力症95例を対象として、子宮内炎症、子宮頸管炎、ウレアプラズマ/マイコプラズマ感染など、周産期予後との関連性について、現在、検討中である(後方視的検討)。
また、新型コロナ感染拡大に伴い子宮頸管粘液採取困難(ウレアプラズマ/マイコプラズマ感染を高感度PCR法にて評価)となっていたが、感染状況が落ちつた頃から採取を開始し、現在150検体を冷凍ストックしており、今後解析予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究の最も重要な子宮頸管長とウレアプラズマ/マイコプラズマとの関連性に関する検討については、新型コロナ感染拡大に伴い外来管理中の妊婦より検体採取が難しかったため、滞っていたが、現在150検体をストックしており、高感度PCR法およびIL-8値につきここ2~3か月の間に解析予定である。
一方、これまでに管理した子宮頸管無力症患者の診療記録およびストック検体から、炎症と感染が周産期予後にどのような影響をもたらすのか新たな臨床研究として検討中である。

今後の研究の推進方策

新型コロナ感染状況が落ち着いた頃から、当院で管理中の妊婦より腟分泌物および頸管粘液を採取し、現在150検体をストックしている。2~3か月中に高感度PCR法によりウレアプラズマ/マイコプラズマ陽性率を調査し、また、子宮頸管炎(IL-8値)についても同時に評価する予定である。
また、子宮頸管無力症95例を後方視的に検討し、子宮内炎症、子宮頸管炎、ウレアプラズマ/マイコプラズマ/細菌感染につき、周産期予後との相関につきまとめる予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナ感染により子宮頸管粘液の採取ができず、ウレアプラズマ/マイコプラズマの高感度PCRおよびIL-8値の測定ができなかったため。尚、これらの検査については、2023年度で実施予定である。

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件) 図書 (7件)

  • [雑誌論文] Probiotics including Clostridium butyricum, Enterococcus faecium, and Bacillus subtilis may prevent recurrent spontaneous preterm delivery2022

    • 著者名/発表者名
      Arai EN, Yoneda S, Yoneda N, Ito M, Tsuda S, Shiozaki A, Nohira T, Hyodo H, Kumazawa K, Suzuki T, Nagasaki S, Makino S, Saito S
    • 雑誌名

      J Obstet Gynaecol Res

      巻: 48 ページ: 688-693

    • DOI

      10.1111/jog.15166

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Intravenous immunoglobulin treatment in women with four or more recurrent pregnancy losses: A double-blind, randomised, placebo-controlled trial2022

    • 著者名/発表者名
      Yamada H, Deguchi M, Saito S, Takeshita T, Mitsui M, Saito T, Nagamatsu T, Takakuwa K, Nakatsuka M, Yoneda S, Egashira K, Tachibana M, Matsubara K, Honda R, Fukui A, Tanaka K, Sengoku K, Endo T, Yata H
    • 雑誌名

      EClinicalMedicine

      巻: 50 ページ: 101527

    • DOI

      10.1016/j.eclinm.2022.101527

    • 査読あり
  • [学会発表] 不育症に対するヘパリン療法後に脊椎圧迫骨折をきたした2例2022

    • 著者名/発表者名
      八木 萌、伊藤実香、森田章、須田尚美、津田さやか、米田徳子、塩崎有宏、中島彰俊、米田 哲
    • 学会等名
      第33回富山県母性衛生学会
  • [学会発表] Mycoplasma hominisを起炎菌とする帝王切開術後骨盤内膿瘍の2例2022

    • 著者名/発表者名
      谷 英理、生水貫人、津田さやか、松井 望、新居絵理、伊藤実香、米田徳子、塩﨑有宏、中島彰俊、米田 哲
    • 学会等名
      富山県産科婦人科学会
  • [学会発表] 妊婦さんにとっても医師にとってもメリットがある(と予測できるからこそ成り立つ)単群試験 -夢と現実-. シンポジウム2022

    • 著者名/発表者名
      米田 哲
    • 学会等名
      第58回日本周産期・新生児医学会
  • [学会発表] Long-term tocolysisが有効である可能性のある切迫早産とは?2022

    • 著者名/発表者名
      米田 哲
    • 学会等名
      第44回日本母体胎児医学会
  • [学会発表] 切迫早産:産まれ来る赤ちゃんのために産科医が認識すべきと思うこと ~long-term tocolysisなのか?short-termなのか?はたまた、no tocolysisなのか?~2022

    • 著者名/発表者名
      米田 哲
    • 学会等名
      第15回 日本早産学会学術集会
  • [学会発表] 自然早産/絨毛膜羊膜炎に対するリスクマネジメント2022

    • 著者名/発表者名
      米田 哲
    • 学会等名
      第4回日本外科感染症学会特別セミナー
    • 招待講演
  • [図書] 便のトラブル110番. トラブルを解決に導く!薬の選び方と使い方. 妊婦の便のトラブル2022

    • 著者名/発表者名
      須田尚美、米田 哲
    • 総ページ数
      2
    • 出版者
      南江堂
  • [図書] 子宮内感染 CTGの読みかたと対応のポイント2022

    • 著者名/発表者名
      米田 哲
    • 総ページ数
      8
    • 出版者
      ペリネイタルケア
  • [図書] 乳酸菌と早産予防2022

    • 著者名/発表者名
      米田 哲、齋藤 滋
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      臨床婦人科産科
  • [図書] 薬物療法による自然早産予防2022

    • 著者名/発表者名
      米田 哲、津田さやか、米田徳子
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      産科と婦人科
  • [図書] 見て、聞いて、触って、身体所見から考える妊産褥婦の異常とその対応 下腹部が痛い2022

    • 著者名/発表者名
      米田 哲
    • 総ページ数
      3
    • 出版者
      周産期医学
  • [図書] 切迫流産・切迫早産2022

    • 著者名/発表者名
      米田 哲
    • 総ページ数
      2
    • 出版者
      日本医事新報
  • [図書] CRP上昇の未破水切迫早産-抗菌薬を投与する2022

    • 著者名/発表者名
      米田 哲
    • 総ページ数
      4
    • 出版者
      周産期医学

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公開日: 2023-12-25  

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