研究課題
無症状の妊娠22~24週における子宮頸管長は、25mm以下となると自然早産のリスクが高まるとされているが、本研究(後方視的検討、対象:妊娠28週未満の子宮頸管長25mm未満の妊婦73例)により、自然早産歴を有する妊婦、羊水中の軽度の炎症所見、子宮頸管炎、子宮頸管長15mm未満、入院管理時の妊娠24週未満であることが、妊娠34週未満自然早産のリスク因子であった。これらの中で特に頸管粘液中IL-8値(子宮頸管炎のマーカー)が、803.5ng/ml以上および子宮頸管長15mm未満であることが独立した早産リスク因子であることが判明した。また、子宮頸管長短縮が前駆病変となって発症すると考えられる子宮頸管無力症95例を対象として、子宮内炎症、子宮頸管炎、ウレアプラズマ/マイコプラズマ感染など、周産期予後との関連性について、現在、検討中である(後方視的検討)。また、新型コロナ感染拡大に伴い子宮頸管粘液採取困難(ウレアプラズマ/マイコプラズマ感染を高感度PCR法にて評価)となっていたが、感染状況が落ちつた頃から採取を開始し、現在150検体を冷凍ストックしており、今後解析予定である。
3: やや遅れている
本研究の最も重要な子宮頸管長とウレアプラズマ/マイコプラズマとの関連性に関する検討については、新型コロナ感染拡大に伴い外来管理中の妊婦より検体採取が難しかったため、滞っていたが、現在150検体をストックしており、高感度PCR法およびIL-8値につきここ2~3か月の間に解析予定である。一方、これまでに管理した子宮頸管無力症患者の診療記録およびストック検体から、炎症と感染が周産期予後にどのような影響をもたらすのか新たな臨床研究として検討中である。
新型コロナ感染状況が落ち着いた頃から、当院で管理中の妊婦より腟分泌物および頸管粘液を採取し、現在150検体をストックしている。2~3か月中に高感度PCR法によりウレアプラズマ/マイコプラズマ陽性率を調査し、また、子宮頸管炎(IL-8値)についても同時に評価する予定である。また、子宮頸管無力症95例を後方視的に検討し、子宮内炎症、子宮頸管炎、ウレアプラズマ/マイコプラズマ/細菌感染につき、周産期予後との相関につきまとめる予定である。
新型コロナ感染により子宮頸管粘液の採取ができず、ウレアプラズマ/マイコプラズマの高感度PCRおよびIL-8値の測定ができなかったため。尚、これらの検査については、2023年度で実施予定である。
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