研究課題
無症状妊婦の妊娠22~24週における子宮頚管長25mm以下であった場合、自然早産のリスクが高まることが知られているが、本研究(後方視的研究、対象:妊娠28週未満の子宮頚管長25mm未満の妊婦73例)では、羊水中の軽度炎症所見(羊水中IL-8値>2.3ng/mL)、高度子宮頸管炎(子宮頸管粘液中IL-8値>803.5ng/mL)、子宮頚管長15mm未満および入院時の妊娠週数24週未満であることが、妊娠34週未満自然早産のリスク因子であった。特に、高度子宮頚管炎と子宮頚管長15mm未満であることが独立した自然早産リスク因子であった。子宮頚管無力症症例95例を後方視的に検討した結果、およそ半分の割合で、組織学的絨毛膜羊膜炎2度以上を併発していたが、反対に組織学的絨毛膜羊膜炎を認めない場合でも流早産していることが判明した。子宮頚管無力症の胎胞形成が大きいほど、子宮内の炎症は有意に高く、さらに、ウレアプラズマ/マイコプラズマと細菌の重複感染も有意に高率であった。また、胎胞が大きい場合、全例で超早産となっていた。ウレアプラズマ/マイコプラズマが子宮頚管無力症発症に関与している可能性を考慮し、まず正常妊婦の子宮頸管粘液中のこれらの感染率を調査したところ(n=280)、ウレアプラズマ/マイコプラズマの陽性率は、約12%であった。今後は、腟内の乳酸菌の存在、子宮頚管IL-8値および自然早産率との関連性を検討する予定である。
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