研究課題/領域番号 |
21K09544
|
研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
井上 水絵 福島県立医科大学, 看護学部, 講師 (20582571)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 婦人科がん / 外科的閉経 |
研究実績の概要 |
婦人科がん治療にともなう両側の卵巣の摘出が、生活習慣病(脂質異常症、心血管疾患、糖尿病)の発症のリスクを増加させることが報告されている。婦人科がん手術後の合併症の1つである更年期症状が患者のQOLを低下させることが明らかになっている。 これらの先行研究をふまえ、本研究は、婦人科がん治療により両側の卵巣を摘出した患者に出現する、生活習慣病(脂質異常症、心血管疾患、糖尿病) や更年期症状の重症化に対し、病態の予防と改善を目ざす、健康教育のプログラムの開発と効果検証を行うことである。 2021年前期は、健康教育の内容の検討と構築を行うために、両側の卵巣切除後に出現する症状に着目した健康教育の文献検討を行った。健康教育の文献の検索は、過去10年における、 国内外の両側の卵巣の摘出後に出現する症状のシステマティックレビューを行った。keywordsは、更年期、脂質代謝異常、糖尿病、健康教育、プログラムとし、結果をもとに、 有効性・活用方法・内容等の検討を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、婦人科がん外科的閉経後の健康リスクの予防を目的とした継続教育のフォローアップ効果の検証を行う。 2021年前期は、健康教育の内容の検討と構築を行うために、両側の卵巣切除後に出現する症状に着目した健康教育の文献検討を行った。健康教育の文献の検索は、過去10年における、 国内外の両側の卵巣の摘出後に出現する症状のシステマティックレビューを行った。keywordsは、更年期、脂質代謝異常、糖尿病、健康教育、プログラムとし、結果をもとに、 有効性・活用方法・内容等の検討を行った。 2021年後期は、健康教育(案)のパイロット調査を実施する予定だった。しかし、以下の2点より計画は遅れている。①調査実施所在地、および調査施設のコロナ感染拡大による調査の制限および、研究対象者の確保困難、②研究協力者の体調不良により長期病休になり研究の進捗は遅れている。 次年度2022年は、コロナ感染拡大の影響にもよるが、患者の安全を確保しつつ、パイロット調査を行う予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
フィールドのコロナ感染対策状況、研究実施状況について、施設側と再調整している。再調整後以下を実施する。 パイロット調査のため、検討した健康教育(案)の妥当性を確認する。対象は、婦人科がん治療で両側の卵巣を摘出した患者 10名程度を予定している。方法は、健康教育( 案 )として以下を想定し、実施する。 内容は、1)健康教育計画:1回目(入院前)女性の体とエストロゲンの影響、2・3回目(術後退院前)健康教育①更年期症状、②脂質代謝異常、糖尿病、4回目(退院後初回外来)健康リスク予防の具体的な行動をとれる、5回目(術後2回目外来)健康リスク予防行動が継続的にできるようにフォローアップを行う。 プライマリアウトカムは、更年期症状:簡易式更年期指数(SMI) である。 セカンダリアウトカムは、脂質代謝異常:トリグリセライド、LDLコレステロール、HDLコレステロール、糖尿病:HbA1c、肩こり(筋硬度計)、自律神経(加速度脈波)、 肌の状態(モイスチャーチェッカー)、身体測定:腹囲、BMI、血圧、体脂肪率、精神・心理症状(不安、抑うつ)、HADS(Hospital Anxiety and Depression Scale)、生活習慣:生活習慣チェックリスト(食事、喫煙、飲酒、休養・ストレス、睡眠)、活動量(活動量計:スマートブレス)、QOL:FACT-G (Functional Assessment of Cancer-general:がん特異的尺度)である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ渦の影響にて研究スケジュールが遅れ、パイロット調査対象者に関係する研究費の支払いが未発生となった。次年度はパイロット調査を実施するため、前年度の予算はそのまま今年度にスライドする。
|