遺伝子パネル検査C-CATのデータベースへのアクセスが可能になったため、頭頸部癌のゲノムパネルを俯瞰することに本年度は着手することにした。これまで既知のTCGAデータベースと比較してC-CATのデータベースからの変異プロファイリングは大きくは異なっていないことが明らかになった。 C-CATデータベースでの変異頻度が高い遺伝子は順番にTP53およびCDKN2Aであったが、こちらに加えてTERTのプロモータ変異が多いことに注目し、TERTプロモータ変異に関して解析を進めることとした。するとTERTプロモータ変異は口腔癌、若年、女性に多いという極めて特徴的な変異を認めるという結果が得られた。 C-CATデータベースは日本独自のものであるため、先行しているMSK-IMPACTデータへのアクセスも可能となり、日本と欧米での変異プロファイルの比較も行えるようになった。さらにこれまでHPV陽性中咽頭癌に注目して研究を進めてきたが、こちらに含めてTERT陽性口腔癌に関してもよい研究対象であることを考え、並行して進めることとした。現在口腔癌腫瘍検体からTERTプロモータ変異の検出を行っている。 HPV陽性中咽頭癌からの唾液からのHPV検出は引き続き行っており、現在検体サンプルの集積を行っている。
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