研究課題
陸上自衛隊で行っている満50歳の隊員に対して特殊健診にて、耳鳴に対する感受性が高い男性のサンプルのみを用い耳鳴の感受性遺伝子の検索を行った。その結果、抗酸化作用を持つNRF-2、イオントランスポーターであるKCNE1, KCNQ4のSNPが当初の予想通り、難聴および耳鳴との関連がある事が明らかとなった。また、実験動物として安定した耳鳴が再現できる「衝撃波誘発耳鳴モデル」を作成した。聴覚機能評価として聴性脳幹反応(ABR)および歪 音耳音響放射(DPOAE)による内耳機能測定を行い、末梢聴覚器からの聴覚情報量と耳鳴の定量的な音量との関連を明らかにした。続いてモデル動物における耳鳴の定量評価を我々の確 立したgap detection testを用いて行った。本法を用いて耳鳴の有無やラウドネスを客観的に評価するだけでなく耳鳴のピッチが解析可能となった。
2: おおむね順調に進展している
当初初年度に行う予定であった研究がほぼスケジュール通り進行している。
引き続き耳鳴動物モデルの脳、特に聴覚伝導路の解析を進めてゆく。
実験で使用する消耗品の価格が変更となり、若干の費用の余剰が生じた。次年度の消耗品として使用する。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件)
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