研究課題/領域番号 |
21K09585
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
鈴木 幹男 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00226557)
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研究分担者 |
池上 太郎 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00754409)
真栄田 裕行 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40264501)
平川 仁 琉球大学, 病院, 講師 (50437993)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 頭頸部癌 / PI3K/Akt/mTOR経路阻害 / ラパログ / PLD阻害 / Torin |
研究実績の概要 |
頭頸部癌ではHPV関連,非関連癌の両者でPI3K/Akt/mTOR経路活性化が腫瘍増殖に深く関連している。mTOR阻害剤で最も臨床応用が進んでいるラパマイシンアナログ(ラパログ)はmTORC1へ優位に作用するが,negative feedbackにより逆にAkt活性化が生じるため,抗腫瘍効果が減弱する。本研究ではラパログと別の作用点を持つPLD阻害剤及びTorin-1, 2に着目し、ラパログと併用することで効果的なPI3K/Akt/mTOR経路阻害プロトコールを作成し,低侵襲で安全性の高い新規治療法開発を最終目標とする。研究1:頭頸部癌細胞へのPLD阻害剤,Torinの効果,mTOR阻害剤の併用効果、研究2:mTOR阻害剤を用いた腫瘍マウスモデルに対する有効性・安全性の検討(in vivo アッセイ)、研究3:ヒト頭頸部癌標本におけるPI3K/Akt/mTOR関連遺伝子,タンパク発現の検討を行う予定である。2021年度では研究1を実施した。現在、ラパログ、Torin-1,Torin-2単剤、及び、重複投与した場合を腫瘍細胞株を用いて細胞増殖に与える研究を実施している。各種条件を変更しながら、細胞増殖性を確認しているが、濃度を濃くすると細胞死をもたらすことができるが、臨床で使用できる容量にした場合に、細胞障害性は減弱するため、どのような条件にするのが最も効率的であるかを調査中である。ほぼ用量設定が終了したため、次年度研究を進める。これまでの結果では、低容量ラパログでは細胞死はみられず、Torin1,2も単独では同様であった。条件により低容量ラパログ+Torin-1または-2で細胞死がみられた。いずれも臨床用量での条件を見いだすことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在、ラパログ、Torin-1,Torin-2単剤、及び、重複投与した場合を腫瘍細胞株を用いて細胞増殖に与える研究を実施している。濃度を濃くすると殺細胞効果がみられるが、臨床で使用できる容量にした場合に、細胞障害性は減弱するため、どのような条件にするのが最も効率的であるかを調査中である。実際の研究で用いる至適用量 の決定に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
ほぼ用量 は決まったため、PLD阻害剤を用いて、予定通り研究を進める予定である。今年度は細胞株を用いた研究を終了させ、腫瘍マウスモデルに対する検討を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究成果が十分えられなかったため、条件を変更して検討中である。条件設定が終了したため次年度から広く展開する予定。共同使用している超低温フリーザーが壊れたため、本研究費を用いて共同購入した。
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