研究実績の概要 |
本研究は重度難聴者でも聴取可能な骨導超音波を利用し、聴力を評価することで人工内耳の効果を予測することができる新しい検査システムを開発することを目的とする。2021年度は骨導超音波を利用した語音検査を開発するために、母音の刺激長と語音弁別の関係について研究をまとめ、この成果を論文として発表した。Okayasu, T. et al. Word Categorization of Vowel Durational Changes in Speech-Modulated Bone-Conducted Ultrasound. Audiol. Res. 2021, 11, 357-365. 2022年度は動物実験に導入した小動物用の耳音響放射の検査機器を用いて、骨導超音波知覚に外有毛細胞が関与するかどうかについての研究に着手した。また、骨導超音波を用いた人工内耳術後の成績の指標となる新しい検査の開発するための研究について、倫理委員会の承認を得ることができたので、臨床研究をすすめている。その他の難聴の研究としては軟骨伝導補聴器の装用効果について、日本聴覚医学会で発表を行い、また、耳鳴については漢方薬の耳鳴動物モデルに対する有効性についての論文、Behavioral and Immunohistochemical Evidence for Suppressive Effects of Goshajinkigan on Salicylate-Induced Tinnitus in Rats. Brain Sci. 2022, 12, 587.を発表し、新しい検査を開発する上での基礎的な知見をえることができた。
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