研究課題/領域番号 |
21K09591
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
森 恵莉 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (20408446)
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研究分担者 |
上羽 瑠美 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (10597131)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 嗅神経細胞 / 再生 |
研究実績の概要 |
嗅覚障害をきたす鼻副鼻腔疾患の、手術治療による疾病の根治性向上と粘膜温存による嗅覚保護効果は相反する課題であった。抗RGMa抗体のelezanumabは、頸椎外傷後や視神経脊椎炎・脳梗塞における神経症状の治療において、神経軸索再生および運動機能の回復促進効果があることが報告されている。嗅覚・鼻腔領域においてはelezanumabの効果は未検証であり、elezanumabを手術治療に併用することができれば、嗅覚機能の温存が期待できる。また、嗅神経再生が必要な他の病態(外傷、熱傷、化学性粘膜損傷、上気道炎後嗅覚障害)に対しても、新規治療薬としての可能性が広がる。嗅神経細胞が存在する嗅上皮は、障害・脱落後にも再生するが、上皮下層も含めた嗅粘膜全層の障害を受けた場合にも再生するかは明らかになっていない。ヒト嗅粘膜は嗅裂内に存在するが、嗅裂は極めて狭く、ヒト嗅粘膜の面積は非常に小さい。嗅裂に病変のある鼻副鼻腔疾患の手術では、嗅粘膜の一部を除去せざるを得ず、嗅覚を改善させられないばかりか医原性嗅覚障害を来すことがあるため病変の切除が躊躇されてきた。確実な病変切除のためには、嗅粘膜全層除去後も嗅粘膜を再生させる効果のある治療方法や薬剤の開発が望まれている。本研究課題は、嗅粘膜全層除去後の粘膜再生に関するこれまでの研究結果をもとに、神経修復効果や軸索再生効果のあるelezanumabに着目し,嗅粘膜除去後の嗅覚回復のための手術手技を含めた治療法の開発の基盤として研究を展開する。2021年度は、本研究につながる前研究として、嗅粘膜全層除去モデルの作成について、論文投稿を行い、elezanumabやその他の神経再生の候補となる薬剤の情報収集に努めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍で感染予防対策上、実験施設への出入りができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
研究施設における実験開始をする。具体的には初めに、組織におけるelezanumabのターゲットとなるRGM:Repulsive guidance molecule-a (RGMa)の発現をタンパク及び遺伝子レベルで確認する。①未処置群、②嗅粘膜除去後Day 30、③嗅粘膜除去後Day 60、④嗅粘膜除去後 Day 90、での解析を行い、発現状況により、ラット嗅粘膜除去モデルへのelezanumab投与条件を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で、実験が開始できず、試薬や実験器具の購入を行なっていない。本年後より開始するため、試薬購入に当てる予定となっている。
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