研究課題/領域番号 |
21K09592
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
志賀 英明 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (80436823)
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研究分担者 |
三輪 高喜 金沢医科大学, 医学部, 教授 (20229909)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 嗅覚障害 / オルファクトシンチグラフィ / 嗅覚刺激療法 / 異嗅症 |
研究実績の概要 |
異嗅症症例患者を対象に「オルファクトシンチグラフィによる他覚的嗅覚検査」の特定臨床研究に参加を依頼した。研究開始時は感冒後異嗅症症例を主な対象疾患とする予定であったが、新型コロナ感染症パンデミック終息の見通しが立たない中で感冒後嗅覚障害患者の受診数が激減した。以上の理由から頭部外傷例、パーキンソン病などの神経疾患例や原因不明例に伴う異嗅症症例についても対象を拡大した。嗅覚刺激療法開始前の症例の他に、オルファクトシンチグラフィ臨床試験参加前に嗅覚刺激療法を行い異嗅症症状の改善を認めなかった症例なども対象に含めた。研究開始初年度であり、まだデータ解析に必要な症例数には達していない。 またシリンジタイプのタリウム容器に装着する経鼻投与デバイスについて、鼻腔模型を用いて留置針外筒を鼻腔内に挿入し着色液を点鼻した際の鼻腔内の流水動態を撮影した動画を解析した。20Gの長めの留置針外筒は操作性に難があり、22Gの短めの留置針外筒の方が深部への到達度には劣るが操作は容易で、それぞれ一長一短があるとの結果であった。また2社のメーカーの製品も比較したが、より剛性の強いN社のものがT社の製品より操作性に優れていると感じた。実際の臨床試験で主にN社の20Gと22Gの留置針外筒を使用して、タリウム経鼻投与の30分後にSPECT画像を撮像し、別途撮像したMRI画像との融合画像を作成して投与後短時間でのタリウムの鼻内集積分布を評価した。22Gを使用した場合の方が、鼻腔嗅裂内で均等に分布が見られる傾向にあった。 以上よりオルファクトシンチグラフィ臨床試験では主にN社の22G留置針外筒をシリンジタイプのタリウム容器に装着して経鼻投与するのが良いことが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染パンデミックが依然として続いており、一般の感冒に伴う嗅覚障害患者数が減少し当初計画していた感冒後異嗅症症例の集積が困難なため。
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今後の研究の推進方策 |
感冒以外の頭部外傷、神経疾患および原因不明例における異嗅症症例も含めて検討を行っていく方針である。本学脳神経内科との共同研究体制が整い、パーキンソン病症例の集積が以前より容易となったため、今後神経疾患における解析の伸展が期待できる。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に発注した物品の納入が品不足のため年度内に間に合わなかった。主には次年度に納入予定の薬用冷凍冷蔵庫の代金支払いに使用を予定している。
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