研究課題/領域番号 |
21K09593
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
杉田 侑己 関西医科大学, 医学部, 研究医員 (50786697)
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研究分担者 |
岩井 大 関西医科大学, 医学部, 教授 (10232638)
小林 良樹 関西医科大学, 医学部, 准教授 (10375298)
稲葉 宗夫 関西医科大学, 医学部, 非常勤講師 (70115947)
神田 晃 関西医科大学, 医学部, 教授 (70375244)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | C57BL/6 / 加齢性難聴 / 免疫若返り処置 / リンパ球移入 / 胸腺移植 / 酸化ストレス / 慢性炎症 / oxi-inflamm-aging |
研究実績の概要 |
超高齢社会において、健康寿命を損なうおそれのある加齢性難聴の予防法確立は喫緊の課題である。 申請者らはこれまでに早期加齢性難聴・老化促進モデルマウスSAMP1を用いて、同系胎児胸腺の移植や同系若齢マウスのリンパ球移入(免疫若返り処置)により加齢性難聴の進行を予防できることを明らかにしている。2021、2022年度はC57BL/6Nマウスを用いても、SAMP1と同様の結果が得られるのかを検討した。その結果、免疫若返り処置により難聴が予防されることが明らかとなった。しかし、SAMP1と比して難聴の進行そのものは軽微であり、その他検査で有意な加齢性変化を認めないものもあった。 当該年度は12か月齢のC57BL/6Nマウスを購入、20か月齢まで飼育し、その時点で評価可能な項目につき、聴力検査(聴性脳幹反応:ABR)や検査を行った。 結果として、ABRではさらに難聴の進行を認め、SAMP1における12か月齢相当となっていた。蝸牛の有毛細胞の加齢による減少もさらに顕著になっていた。 しかし、予想に反して、12か月齢ではじめて行った胸腺移植には反応を示さず、難聴の進行を認めた。このことから、既に免疫老化が進んでいる状態で免疫若返り処置を行っても十分な効果が得られないことが予想される。また、20か月齢で行った血清NOの計測では、2か月齢と比して有意差を認めず、SAMP1で見られた加齢によるNOの上昇は認めなかった。 酸化ストレスの評価方法は多数あり、複数の検査から総合的に判断することが推奨されている。C57BL/6Nにおいては、血清NOの検査では評価できなかったため、その他の複数の検査で評価する必要があると考えられる。今後の検討課題としたい。
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