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2022 年度 実施状況報告書

飲酒・喫煙以外の原因による口腔癌の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K09596
研究機関公益財団法人田附興風会

研究代表者

原田 博之  公益財団法人田附興風会, 医学研究所 神経・感覚運動器研究部, 研究員 (50774478)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード口腔癌 / 非飲酒非喫煙 / 病因 / 飲酒・喫煙 / 原因
研究実績の概要

飲酒・喫煙が癌の発症に関与していない口腔癌症例群の存在が指摘されているが、その疫学・病態の詳細は未知な部分が多い。本研究は飲酒・喫煙以外の原因による口腔癌症例の原因を、臨床データと癌組織の遺伝子・病理組織学的解析に基づく症例研究により、解明することを目的とする。飲酒・喫煙の無い口腔癌症例の遺伝子変異とその発癌因子として示唆されているが未だ一定の見解が得られていないヒト乳頭腫ウイルス、性ホルモンの発癌への関与を検証する。またその検証過程において、特徴的な遺伝子変異があるか、他に因子が存在する可能性があるか検討する。癌の発生にはドライバー変異を獲得した細胞のクローン性増殖が特徴的であるが、食道癌における報告ではこの増殖は若年者では極めて限定的であり、飲酒・喫煙や加齢といった生活習慣やリスクによって大きく影響され、TP53遺伝子の変異を有するクローンが広範囲にわたって観察されている。口腔癌においても飲酒・喫煙に起因する症例はこの食道癌と同様の変異・増殖がみられると考えられるが、若年者の口腔癌症例や飲酒・喫煙歴の無い症例群では、遺伝子変異、タンパク発現、腫瘍微少環境がいずれも異なっている可能性を予測している。
まずその疫学、臨床情報の集積のため飲酒・喫煙が関連していないと考えられる口腔癌症例について多施設共同研究を行いHead & Neck誌で論文発表した。飲酒・喫煙が関与していないと考えられる症例の手術標本を集積した。現在少数例でのpreliminaryな解析を行っている。また、現在関連学会にて基礎を含めた口腔癌についての最新の知見を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

癌部組織よりサンプルを抽出しキャンサーパネルシーケンシングを使用して、がん遺伝子または腫瘍抑制遺伝子の全エキソンまたはホットスポット変異のシーケンシングを行う予定であったが、これを依頼予定であったマクロジェン社の同シーケンシングが2022年4月末まで受注中止しており、研究に遅れが生じていた。また、関連研究の報告からキャンサーパネルシークエンスと比較し、当初は計画していなかったwhole exome sequence (WES)でのnormal-tumor解析の有用性も示唆されたため、1例でWESを行いそのvalidityを評価している。

今後の研究の推進方策

口腔癌組織サンプルパラフィン包埋組織ブロックより癌部と周囲組織の免疫染色を行い病理組織学的に比較検討することと、NGSにより、飲酒・喫煙以外の口腔癌の原因因子の選抜を行う。この研究に関連する学会に参加し、知見を得る。また論文化に先立ち、preliminaryなものからも当研究について発表も行う。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍、日常業務の多忙、また依頼予定であったマクロジェン社の受注中断、またNGSにおけるマイナーチェンジがあり、前年度の経費は当初予定より少ないものとなった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Characteristics of oral squamous cell carcinoma focusing on cases unaffected by smoking and drinking: A multicenter retrospective study.2023

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Harada
    • 雑誌名

      Head & Neck

      巻: 未定 ページ: 未定

    • DOI

      10.1002/hed. 27398

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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