研究課題/領域番号 |
21K09597
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
荒木 幸仁 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 耳鼻咽喉科学, 教授 (70317220)
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研究分担者 |
宇野 光祐 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 病院 耳鼻咽喉科, 講師 (20464828)
塩谷 彰浩 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 耳鼻咽喉科学, 教授 (80215946)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 反回神経 / 喉頭機能 / 神経障害 / 過誤神経再生 |
研究実績の概要 |
反回神経障害における喉頭機能回復を目的とした研究である。本研究では、反回神経運動線維間での過誤再生を可能な限り抑制し、声帯運動回復を目指した検討を行う。過去に神経再生チューブを足場とした運動神経と感覚神経間の過誤再生を抑制することで、一定の効果が得られることを証明した。これは感覚神経の再生を促進するNerve growth factor (NGF)のレセプターであるTrkAの阻害薬(TrkA-inhibitor)投与により、感覚神経再生を遅延させ、相対的に運動神経同士の再生促進効果を示したものであり、声帯運動回復、組織学的、電気生理学的にその効果を証明した。 この発展を目指し、声門閉鎖筋に対する再生促進、声門開大筋に対する再生抑制により相対的な声門閉鎖機能の増強を目指した戦略の検討を進めている。唯一の声門開大筋である後輪状披裂筋への反回神経分枝を切断した上で反回神経本管を切断する動物モデルを確立し、声門閉鎖筋再生促進効果の有無について検討した。また声門閉鎖を客観的に評価する手技として、神経電気刺激による声帯運動の動画解析、筋電図評価系を確立した。 反回神経後輪状披裂筋枝切断+反回神経本管切断モデルにおいては、反回神経本管切断モデルと比較し、声門閉鎖機能が促進される傾向を示しており、現在更なる解析を進めている。またTrkA阻害剤を投与することで、さらに声門閉鎖機能が改善する傾向も認めており、今後更なる検討を行う。 また声門開大筋への運動神経再生を抑制する治療因子として、MMP9-I、BTX/A、BTX/B、TrkB-A(7.8-DHF)、TrkB-I(K252a)、ビンクリスチンが有力な候補となり得ることを見出した。声門開大筋へ投与し、声門開大への神経再生抑制、相対的な声門閉鎖機能強化、についての検討を進めている。より安全性の高い効果的な治療法の確立、臨床応用を目指している。
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