研究実績の概要 |
頭頸部癌培養細胞において、Allose奏効群ではTXNIPのmRNA発現が著明に増強し、CXCR4の発現が抑制された(Allose50mM投与48時間後 HSC3:TXNIP 132倍、CXCR4 0.1倍, Ca9-22: TXNIP 289倍、CXCR4 0.71倍、Allose50mM投与12時間後 HSC3-M3:TXNIP 11倍、CXCR4 0.23倍)。Allose無効群ではAllose投与によりTXNIPのmRNA発現はやや増強したが、CXCR4の発現も増強した (HSC4: TXNIP 11倍、CXCR4 1.91倍)。 頭頸部癌においてエクソソーム中のCXCR4, CXCL12の存在を同定し、それらが癌の転移にどのように関与しているかを検証するために、①メンブレンにエクソソームを吸着させ溶出させる方法(exoEasy Maxi Kit)でCa9-22細胞のエクソソームを抽出、RNAを精製し、realtime PCRでTXNIP, CXCR4, CXCL12を検討したが、mRNAの増幅は観察されなかった。そこで、超遠心法を用いてエクソソームの抽出を依頼、結果HSC3, HSC4, KONの3種類の細胞上清から4.47E+10~1.32E+11(particles/ml)の細胞外小胞を得た。その試料を用いてexoRNAEasy Maxi Kitで total RNAを抽出した。結果、HSC4からはcontrol, Allose投与群いずれからもRNAが抽出できたが、HSC3, KONからはAllose投与群からはRNAが得られなかった。HSC4から得られたRNAからCXCR4, CXCL12の増幅を検討したが、以前のCa9-22と同様にcontrol, Allose投与群のいずれからもmRNAの増幅は観察されなかった。
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