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2022 年度 実施状況報告書

唾液腺免疫性疾患における腺機能障害に対する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K09610
研究機関札幌医科大学

研究代表者

高野 賢一  札幌医科大学, 医学部, 教授 (70404689)

研究分担者 小島 隆  札幌医科大学, 医学部, 教授 (30260764)
一宮 慎吾  札幌医科大学, 医学部, 教授 (30305221)
亀倉 隆太  札幌医科大学, 医学部, 講師 (70404697)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード唾液腺 / IgG4関連疾患 / シェーグレン症候群 / 上皮バリア
研究実績の概要

われわれが以前から確立しているヒト唾液腺腺管上皮細胞の培養系を用いて、タイト結合分子の中でも特にcytokinesisにおけるlipolysis-stimulated lipoprotein receptor
(LSR)およびtricellulinに着目して、その発現メカニズム、アポトーシスとの関係について検討を進めている。これまで2細胞間タイト結合分子であるoccludin, claudin-7, zonula occludens-1 cingulinや極性に関与するPAR3が、cytokinesisにおいて発現増強し、上皮バリア機能も保たれ、LSRやtricellulin がアセチル化チューブリン陽性中央体やガンマチューブリン陽性中心体にHook2とともに認められた。Hook2をノックダウンすると上皮バリア機能低下や関連分子の発現が中心体から消失した。LSRの多様な機能が示唆されている。アポトーシスとの関連については、現在検討中である。また、得られたヒトIgG4関連疾患組織(唾液腺)の解析から、活性化した胚中心型のSP-Tfh細胞が病変部においてIL-2やIL-7による刺激を受けることで、一部がDP-Tfh細胞に分化する可能性が示唆されている。DP-Tfh細胞は主に自身のメモリーB細胞に対して細胞傷害能を発揮し、メモリーB細胞からの抗体産生を抑制する機能があると考えられることから、IgG4関連涙腺・唾液腺炎の病変部においては、DP-Tfh細胞は病勢の収束に寄与する細胞である可能性が考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

COVID-19の影響による手術件数の減少があり、入手可能なヒト検体数が減っているため。

今後の研究の推進方策

検体入手を進めつつ、以下の検討を進めていく。
1)各種サイトカインのGBP-1・上皮バリアへの影響:TNFα,IL-1β,Th1およびTh2サイトカイン,制御性T細胞産生サイトカイン)のGBB-1への影響を確認していく。疾患由来の細胞においてタイト結合関連分子(occludin, claudin-1, -4, -7, JAM-A, LSR, tricellulin)の発現変化と,経上皮電気抵抗(TEER)による上皮バリア機能の変化を調べる。
2)シグナル伝達経路の解析:GBP-1に影響するシグナル伝達経路を明らかとする。siRNA法や各種インヒビターを用いてシグナル伝達経路について解析を進めていく。
3)GBP-1 knockdownによる上皮バリアおよびサイトカインへの影響:GBP-1をknockdownすることで,タイト結合関連分子(occludin, claudin-1, -4, -7, LSR,Tricellulin)の発現変化と上皮バリア機能の変化,各種サイトカイン(TNF調節因子,IL-1β,Th1およびTh2サイトカイン,制御性T細胞産生サイトカイン)処置時の変化について解析する。
4)リンパ球、特に濾胞ヘルパーT細胞の病態への関与について、FACS、ELISAを用いて検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍による計画遂行遅延のため、物品費の一部を次年度に計上する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Tubarial gland involvement in IgG4-related diseases2022

    • 著者名/発表者名
      Takano Kenichi、Kurose Makoto、Kamekura Ryuta、Kanda Masatoshi、Yamamoto Motohisa、Takahashi Hiroki
    • 雑誌名

      Acta Oto-Laryngologica

      巻: 142 ページ: 616~619

    • DOI

      10.1080/00016489.2022.2104368

  • [学会発表] IgG4関連疾患におけるTubarial glandsの臨床的意義2022

    • 著者名/発表者名
      高野賢一,亀倉隆太,神田 真聡,高橋 裕樹
    • 学会等名
      第30回日本シェーグレン症候群学会学術集会
  • [学会発表] Tubarial glandsの臨床的意義の検討2022

    • 著者名/発表者名
      高野賢一,村山公介,亀倉隆太
    • 学会等名
      第123回日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会総会・学術講演会
  • [学会発表] IgG4関連疾患を知る2022

    • 著者名/発表者名
      高野賢一
    • 学会等名
      第3回日本歯放学会秋季大会
    • 招待講演
  • [学会発表] IgG4関連疾患を究める2022

    • 著者名/発表者名
      高野賢一
    • 学会等名
      第35回日本口腔・咽頭科学会総会ならびに学術講演会

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公開日: 2023-12-25  

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