研究課題/領域番号 |
21K09610
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
高野 賢一 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70404689)
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研究分担者 |
小島 隆 札幌医科大学, 医学部, 教授 (30260764)
一宮 慎吾 札幌医科大学, 医学部, 教授 (30305221)
亀倉 隆太 札幌医科大学, 医学部, 講師 (70404697)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 唾液腺 / IgG4関連疾患 / シェーグレン症候群 / 上皮バリア |
研究実績の概要 |
IgG4関連涙腺炎および唾液腺炎(IgG4-DS)における特定のmiRNAに関して、標的遺伝子を探索した。IgG4-DS患者9人、原発性シェーグレン症候群患者3人、コントロール3人の血清中miRNAを解析し、IgG4-DS患者で発現に著しい変動を示したmiRNAを抽出した。その結果、血清中miR-125a-3pおよびmiR-125b-1-3pの発現レベルがIgG4-DSで上昇しており、影響を受けた顎下腺組織では、6つの候補標的遺伝子(グリピカン4、フォークヘッドボックスC1、タンパク質チロシンリン酸ノンレセプタータイプ3、ヒドロキシカルボン酸受容体1、メジャーファシリテーター超家族ドメイン含有11、および腫瘍関連カルシウムシグナル伝達体2)が低発現であった。 T濾胞性ヘルパー(Tfh)細胞に着目した検討では、トランスクリプトーム解析により、IgG4-RDの病変部位におけるこれらのDP-Tfh細胞が、Eomes、CRTAM、GPR56、グランザイムなどの細胞障害性CD8陽性T細胞特有の関連遺伝子、さらにはCD70などを好発現していることがわかった。組織内リンパ球とさまざまな臨床的パラメーターとの関係を解析したところ、DP-Tfh細胞のレベルが、IgG4-RD患者における血清IgG4レベルおよび局所のIgG4陽性(IgG4+)メモリーB細胞(CD19+CD27+IgD-)レベルと逆相関していた。 さらに末梢ヘルパーT(Tph)細胞について、治療開始前に採取した末梢血から分離した末梢血単核球をCXCR3とCCR6の発現に基づいて3つのサブセットに分類し解析したところ、IgG4-DS患者では血液Tph2細胞の割合が増加した一方、血液Tph17細胞の割合は減少し、血液Tph2細胞の割合と血清IgG4値、血清IgG4/IgG比、sIL-2R値、罹患臓器数との間に有意な正の相関関係を認めた。
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