研究課題/領域番号 |
21K09620
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
松塚 崇 朝日大学, 保健医療学部, 教授 (80336461)
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研究分担者 |
長谷川 泰久 朝日大学, 歯学部, 教授 (10261207)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 微小転移 / 頭頸部がん / 口腔癌 / センチネルリンパ節 |
研究実績の概要 |
頭頸部がんの個別化医療の実用化に向けたセンチネルリンパ節ナビゲーション手(SNNS)に関わる国内多施設共同研究が平成21年より実施されている。乳がんにおいては微小転移の基準があり、これらに応じた診療ガイドラインが定められているのに対し、頭頸部がんは基準が存在せず、リンパ節転移の有無のみの一律の方針で診療が行われている。 本研究は先行研究を対象に転移リンパ節の状況を後ろ向きに確認して予後を比較解析し、センチネルリンパ節(Sentinel Node, SN)が微小リンパ節転移(以下、微小転移)とみなした場合に頸部郭清の省略が可能かを後ろ向きに検討し、SNNSで同定した微小 転移例の頸部郭清の省略が可能であるかどうかの比較検証する前向き無作為比較試験を準備することを目的とし、頭頸部がんに対するSNNSの診療ガイドラインの作成することを到達目標とする。 2021年度はふたつの先行試験であるN0口腔癌における選択的頸部郭清術とSNNSの無作為化比較試(UMIN000006510)と、ICG蛍光法と放射線同位元素法を用いた口腔咽喉頭癌センチネルリンパ節生検術の実行可能性の検討(UMIN 000006509)からから基本情報及びSNに関する登録情報、経過観察に関する情報をそれぞれ抽出し、スタンドアローンのパーソナルコンピューター内にデータベースを構築した。SNの転移状況をSNの情報は原則としてHE染色とサイトケラチン(CK)免疫染色標本から再確認のうえ転移病巣の径を計測し、計測値をデータベースに入力した。 データベースに得られた臨床情報を後ろ向きに照合し予後と転移病巣の径との関係を調査しSNの下流に後発を含むリンパ節転移が出現するリンパ節径を算出し、微小転移と診断するカットオフ値案を作成した。 これらの知見を国内の学術会議で報告し、参加者からの意見をえることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国外での報告は未だであるが、知見を国内の学術集会で報告することができた。
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今後の研究の推進方策 |
データベースに得られた臨床情報から得られた微小転移と診断するカットオフ値案をさらに国内外の学術会議で報告・意見をえて、論文化する。次の研究に継承するため、疫学有識者と協議しながらSNが微小転移であった際に、頸部郭清を省略するか、画一的な頸部郭清術を行うかとの治療法の比較・検証を行う前向き比較試験をデザインし今後の研究デザインを構築する。
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次年度使用額が生じた理由 |
いくつかの学会研究会はコロナ禍の影響でリモート参加したため出張旅費を要しなかった。オペレーションシステム移行の時期であったため設備備品のパーソナルコンピューターなどは次年度に購入する予定に変更した。
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