研究課題/領域番号 |
21K09623
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
川嵜 洋平 秋田大学, 医学部附属病院, 講師 (00644072)
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研究分担者 |
鈴木 真輔 秋田大学, 医学系研究科, 准教授 (90312701)
大森 泰文 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (90323138)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | GPNMB / HNSCC / 放射線抵抗性 |
研究実績の概要 |
HO-1-u-1, Sa3, HSC2, HSC4のHNSCC細胞株で抗GPNMB抗体で染色しフローサイトメーターでその発現を調べた。頭頸部扁平上皮癌では約20%程度が陽性であった。その後、フローサイトメーターを用いてGPNMB陽性細胞と陰性細胞に分離した。GPNMB陽性細胞はSphere形成能、浸潤能、遊走能とも亢進していていることが明らかとなった。当施設で生検し、頭頸部扁平上皮癌の診断となった臨床検体を抗GPNMB抗体で免疫染色を行った。GPNMB高発現群は予後不良で更に放射線に対して治療抵抗性であることが明らかとなった。in vitroでの結果と臨床検体の結果が合致していた。また、原発巣と転移巣をGPNMBで免疫染色したところ、転移巣で陽性になる細胞が集まってきており、GPNMBが転移に関係していることが示唆された。ここまでが現在、論文を投稿中である。トリプルネガティブ乳癌などで報告されているように、GPNMB陽性細胞は癌幹細胞の性質を持ち、更に上皮間葉転換を引き起こす性質を併せ持つ細胞である可能性が示唆された。今後は過剰発現細胞の作成やin vivoでの実験を検討しており、GPNMB陽性細胞の治療抵抗性のメカニズムや転移に関するメカニズムを解明していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ予定通りである。
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今後の研究の推進方策 |
GPNMB過剰発現細胞の作製と、GPNMB、CD44v9のダブルポジティブについて検討予定である。in vivoでの検討を行う。GPNMB陽性細胞がもつ可能性があるCSCとEMTのメカニズムの解明をより深く行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品の輸入が遅れた。
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