研究課題
基盤研究(C)
本研究では、ヒトES細胞を分化培養させた内耳オルガノイドから、LGR5およびSOX2陽性内耳幹細胞を単離培養することを試みた。前者は発現効率の問題から単離培養は困難であったが、後者についてはレポーター細胞を用いることで単離培養が可能であった。これにより、内耳感覚上皮細胞の特性を解析し、内耳有毛細胞への分化誘導が可能であることを確認した。特にSOX2陽性細胞を用いたオルガノイド誘導実験では、従来よりも高い効率で内耳有毛細胞特異的な遺伝子発現を示した。
内耳再生
本研究成果は、内耳再生医療の実現に向けた重要な一歩となる可能性を秘めている。難聴患者数が増加する中、内耳有毛細胞の再生を目指した本技術は、感音難聴の根本的な治療法開発に貢献すると考えられる。また、内耳オルガノイドを用いた新たな研究手法は、内耳の発生や病態解明にも寄与し、再生医療分野全体の進展に寄与することが期待される。