研究課題/領域番号 |
21K09640
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
山本 和央 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (50408449)
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研究分担者 |
森野 常太郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00796352)
葛西 善行 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (60813889)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 粘膜再生 / 癒着性中耳炎 / 細胞シート / 再生医療 |
研究実績の概要 |
中耳手術(鼓室形成術)において病的粘膜を除去した後の骨面に自己の培養鼻腔粘膜細胞シートを移植して中耳粘膜を早期に再生させ中耳腔とそれに連続する乳突腔を正常に機能させることで癒着性中耳炎や真珠腫性中耳炎の術後の鼓膜再癒着や真珠腫再発を防止し、これまで限界とされてきた手術成績の向上を期待し、再生医療研究を進めてきた。 ヒト臨床研究において、中耳真珠腫での細胞シート移植症例では粘膜再生による中耳腔の含気改善が全例でみられ非常に良好な治療効果が得られたが、癒着性中耳炎症例では一部の症例で病態の再燃が確認されており満足のいく治療効果が得られているとは言い難い。そこで、本研究ではリバーストランスレーショナルリサーチとして、当講座が独自で開発したラット鼓膜癒着モデルを用いて、移植効果について基礎研究に立ち返り(Bedside-to-bench)、培養鼻腔粘膜細胞シート移植による治療効果を徹底検証する。本研究はエビデンスに基づいた医療の確立を目指し、最も完治が難しい中耳疾患の代表である癒着性中耳炎に対する新規治療法の適応を確立させるものであり、本研究成果を新たなヒト臨床研究へとつなげていく。 現在、ラット鼓膜癒着モデルを作製し解析を進めている。モデルの作製法は、全身麻酔後に内視鏡を用いて鼓膜全穿孔を作製し、中耳腔内の粘膜を岬角より下方の下鼓室粘膜を目視で剥離除去する。その際に耳管を損傷させないように留意する。μCTを用いて経時的に中耳腔の様子を観察でき、処置後14日目に鼓膜癒着のみが生じるモデルの作製を確認している。今後は、μCT、組織学的解析などにより評価する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ラット鼓膜癒着モデルの作製は検証済みだが、解析の進捗状況はやや当初の予定より遅れいてる。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、ラット鼓膜癒着モデルの作製の解析を進め、当時に細胞シート移植モデルも並行して作製し検証していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会がweb開催などもあり、旅費などの支出が抑えられた。動物実験に使用する試薬や消耗品で使用予定である。
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