耳下腺癌のステージIからIVの5年生存率はそれぞれ、100%、98.6%、85.0%、56.9%であった。HER2およびARの陽性率はそれぞれ15.0%、17.5%であった。ともに高悪性のほうが陽性症例が高率であり、有意に生存率が不良であった。PD-L1の発現率は34.6%であったが、陽性、陰性例で生存率に有意差を認めなかった。高悪性例の組織型別10年生存率をみたとき、粘表皮癌34.9%、唾液腺導管癌が22.6%、 多形腺腫由来癌が47.1%、 腺様嚢胞癌が56.3%であった。それぞれの組織型で腫瘍特性を有しており、個別化治療に向けた治療戦略を立てることができる可能性がある。
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